がじゅまるの樹の下で。

*琉球歴女による、琉球の歴史文化を楽しむブログ*

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琉球開闢第一の地、安須森御嶽

2012年12月30日 | ・琉球史散策/神話・近代

 先日行った本島最北巡り。

最大の目的はココ!
琉球七嶽の1つ、「安須森御嶽(あすむいうたき)」に登ること!

安須森御嶽は辺戸(へど)にある辺戸岳のことで、
鋭く切りたった岩山全体が聖地なのです。

安須森は琉球開闢(かいびゃく)の第一のポイントで、
天から降りたアマミキヨ(アマミク・阿摩美久)が最初に作った聖地。

(ちなみに以降、今帰仁の金比屋武知念グスク・斎場御嶽( )→藪薩の浦原→玉城グスク( )→クボウ御嶽→首里森御嶽・真玉森御嶽と続く)
クボウ御嶽も訪れたことはありますが、高校生の時なんで写真はなし。

そのワイルドさと壮大さに惹かれ、
いつか行ってみたいと思いつつ約2年、やっと訪れることができました!

2年も待ったのは、
さすがにひとりでは行かないほうがいい場所だからです。

特に標高が高いとか樹海があるというわけではありませんが、
ご覧の通り、安須森は急斜面の崖があちらこちらにある岩山。

登山のためのロープや鎖はあるものの、
足場は決して良いとは言えず、
雨天時はもちろん、雨上がりなど湿気の多い日でも足元が滑り、非常に危険です。

気軽に観光・ハイキング気分で行くような場所ではありませんので、
経験者と一緒に行くことをおススメします。

↑写真で撮った登山道。

でもコレ、まだ写真撮る余裕があったトコです。

本気でギャー!ってなったトコはとにかく必死で
写真撮る余裕なんてないですからね。

高所恐怖症なワタシ……がんばりました!

ロープの状態や足元を確認しつつ、
(ゆるんだり切れてたり、岩がぐらぐらしてる場所もあり)
ゆっくり登って約20分。

頂上に近づいて来たころにぽっかりと開いた洞窟が。
黄金洞(くがにがま)です。

歪曲した岩の層が太古浪漫を駆り立てます。

さあ、頂上まであとわずか。
(ってか、ここからが1番怖かった…ので写真なし

 

そしてそして・・・

 

やっとたどり着いた頂上360度パノラマ!

ひゃ~!

しかも、下界(笑)ではどんより曇り空だったのが
みるみる青空に!

頂上にあった祠たち。

…一体どうやってこれらの石材やコンクリを運んだんだろう…。

恐るべし信仰心。

 

これでもなだらかな方の崖です。
(反対方向の崖は90度。今思い返しても脚がすくむ…

柵はありません。

座り込んで高さと足場に気持ちを慣らすことしばし…(笑)

 

さあ、アマミキヨが見た雄大な景色を味わおう


↑クリックすると拡大します

北西…くらいかな?


↑クリックすると拡大します

北東あたり。

本島最北端、辺戸岬が見えます。

(なお、トップ写真は辺戸岬からみた安須森御嶽)

 辺戸岬アップ。

安須森御嶽は今回登った場所だけじゃなくて
連なっている所も含めて安須森。

今回登った場所は宜野久瀬(シヌクシ)嶽。

右から「シヌクシ嶽」「アフリ嶽」「シチャラ嶽」、「イヘヤ」
(…たぶんあってるはず)

ただしこの「イヘヤ」だけは安須森には入らないらしく、
今は観光地になってます(→大石林山)。

ちなみに、アフリとは「涼傘(りゃんさん)」のことで、
アフリ嶽にキンマモン(キミテズリ)が降臨(!)した時、
涼傘が山を覆った(笠雲)という記録もあるそうです(「琉球神道記」)。

神秘的ですね~

琉球第一の聖地、安須森御嶽。

いい経験させていただきました
(めっちゃ充実感と達成感

 

実際に登った時はもう十分って思ったけど、
今度はもっと緑がいっぱいの時にとか、
アフリまで行きたいかもとか、
さらに思ってしまうワタシなのでした

ええ、筋肉痛抜けるのに2日かかろうとも!(笑)

 

*参*
『琉球古道』(上里隆史著)
『琉球王国ぶらぶらぁ散歩』(おおきゆうこう・田名真之著)

 


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