がじゅまるの樹の下で。

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テンペスト行脚~綾門大道~

2009年12月09日 | ・『テンペスト』行脚

■綾門大道(あやじょううふみち)■

守礼の門から綾門大道に出た瞬間、
人混みが完成と共に後ずさる。

「おい。あの妖しい二人はなんだ?」

「新しい踊奉行か。すごい。なんという色気だ」

男同士のような、女同士のような、
見る者を倒錯の世界へ誘うカップルの出現に
王都のメインストリートが騒然となる。

真美那は内股で歩き、道行く人に微笑みかける。

美青年ではすまされない横溢する色気に庶民は圧倒される。

「お役人様どうぞ傘をお持ち下さい」

道行く女性の心を捉えた真美那はさっそくプレゼントを受けた。
女性は黄色い声をあげて興奮する。

やがて真美那と寧温は物見高い庶民達に幾重にも囲まれてしまう。
琉球芝居の看板役者さながらの人気だった。

「みなさんのお心遣いに感謝いたしま~す」

「真美那さん、なに愛想振りまいているんですか。騒ぎが大きくなります」

「いいじゃない。みんな喜んでくれてるんだし。
あらお婆さん、お花をありがとう」

「女言葉になっていますよ。何で千寿糕を配っているんですか!」

 

「テンペスト(下) 282-」池上永一著/角川書店 より

 

テンペストには結構上記のような笑える、というか軽い描写も結構あります。

ゆえに、マンガっぽいのかもしれません。

写真の雰囲気とは全然あってないんだけど、
テンペストの軽い面のご紹介、ということで敢えてこちら部分を選んでみました。