下積みで、表舞台で脚光を浴びたこともなく、侘しい人生を送ってきた人が、自分の命を絶つとき、誰にも関心をもたれることなく、テレビ、新聞にも取り上げられなくて自殺することは耐えられないのではないか。
せめて死ぬ時ぐらいみんなに注目される。つまり人生で一回限りの「ヒーロー、主役」を演じたい。それが今回の大阪の殺人行為ではないか。
振り返れば同じく関西の池田小学校に乗り込み子供、先生を殺した中年男性がいた。裁判途中で「早く殺してくれ」で早めに死刑執行となった男もいた。
「死ぬときぐらい」目立ちたい。みんなに注目されたい思いは多くの人にあると思われる。
今回の大阪の殺人は、偶然出会わせた人に１００回から２００回以上も刃物を差している。その人への恨みではなく、自分の人生の最後の花道、ド派手な行為のメッタ差しではないか。目の前の２人には恨みも、怨念もない。あるのは自分の人生の終わりの高らかな、儀式だ。これ以上ない「ドラマだ」。あるのは「ドラマの主役を演じる快感」。
今後、類似犯が増える可能性はある。世間から見捨てられ、人間扱いされなかった目立たない、その他大勢の「虫けらが」「最高の英雄になるのだ」。どんどん増える予感がする。
どうせ死んでいくのだ。最後ぐらい華々しく、脚光を浴びる。それが今回の「殺人行為」と私は判断する。秋葉原の大量殺人も同じだ。
実際行為に移すか、勇気がなくて、ゆがんだまま人知れず死んでいくか。後者のほうがはるかに多いと思われるが。日本国の中枢にある人々は「満たされない、不当に差別・抑圧されている人間が、何百万単位で今の日本に蠢いていることを認識すべきだ。
特に税金で暮らす人達のレベルの低さが、凶悪犯罪を引き起こすことの要因になることに警鐘を鳴らしたい。