下手の横好き日記

色々な趣味や興味に関する雑記を書いていきます。
ミステリ・競馬・ピアノ・スポーツなどがメイン記事です。

島田荘司『消える「水晶特急」』

2008-06-17 22:01:22 | 
御手洗シリーズがちょっと重くなってきたので(色んな意味で)
目先を変えて読んでみたのがこの吉敷シリーズ。
でもって、いきなり第4作(^^;
おかしいな~? 順番重んじるはずだったのに・・・
実は吉敷ものだと知らずに読み始めたのです。
前に有栖川氏がエッセイで紹介してたの思い出したので。
(ちなみに有栖川氏は、今夏、鉄道エッセイを出す予定)


国鉄(!)の目玉となる臨時特急「クリスタル・エクスプレス」が完成。
各界の著名人やマスコミを乗せて、華々しく出発した。
ところが、最初の停車駅・大宮で思わぬ事態が勃発する。
散弾銃を持った男が乗車してきてトレインジャックされてしまったのだ!
男は、政治家・加灘の旧悪を暴くために、療養中の加灘がいる酒田に列車を向かわせる。
ところが、最後の停車駅を出たクリスタル・エクスプレスは酒田に着かなかった。
単線の一本道のレールの上から、「水晶特急」は忽然と消えてしまったのである。
列車と共に消えてしまった親友・夜片子を探し、弓芙子は調査を始めるが・・・


この列車消失トリックは、島田氏流の大掛かりなものでしたね。
伏線が親切だったので、土地勘のない私も途中でこれは・・・と気がつきました。
最初のページに東日本地図with路線図が出てきたときには、
ぐお~、トラベルもの!?と、ちょっとナーバスになってしまったのですが、
読んでいくうちに大丈夫なことが判明して、ほっとしました(^^)

ファッショナブルな女性が大活躍の作品。
島田氏の描く「女性像」には、御手洗シリーズなどでも若干の抵抗があり、
そんな女性を1面で捉えないでほしいな~と抗議の一つも述べたくなります。
島田作品の中の男性が、非常に「いい男だらけ」なので思うのですが、
島田氏自身が「いい男」ドリームを守る代償として、
1人では生きていけないわ!なんて泣き崩れる「かよわい女性」が作中にいるのかも。
そこからはみ出たレオナは、苦しいぐらい頑張りすぎてるし(^^;
ま、女性は心が広いから、笑って許してあげますけど(笑)

にしても。
島田氏の文章が作り出す世界は、悔しいけれど圧倒的です。
瑣末なことが気にならなくなるほど、人をひきつけていく力がある。
これがあるから、島田流の超トリックも成立するんですよね・・・
吉敷シリーズも、最初から読んでみたいと思いました。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿