下手の横好き日記

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京極夏彦『絡新婦の理』~再読~

2009-06-11 21:00:24 | 
連続して感想書いちゃいます、百鬼夜行(京極堂)シリーズ第5弾!
このシリーズは『(妖怪の名前)の(漢字一文字)』という書名の縛りがあるのですが、
「理」という字で「ことわり」と読ませるのがカッコイイですね♪


世間を騒がせる目潰し魔事件。
そして、キリスト教系女学校に忍び寄る「蜘蛛」と絞殺魔。
地元の名士、織作家を覆う暗い影。
木場は目潰し魔を追い、榎木津は「蜘蛛」と戦い、
京極堂は・・・静かに蜘蛛の巣の中心を見据える。
満開の桜の舞い散る中で、京極堂と犯人は対峙して・・・


ということで、これも幾重にも折り重なるように事件が起きていきます。
一つの事件に誰かが関わることで、事件はまた別の展開を見せ、
それによって新たな殺人が起こっていくという、「拡大再生産」の様相の事件なのです。
京極堂は、自分が動けば、また自分もそのシナリオに取り込まれてしまうと躊躇します。
あの破壊力に満ちた探偵・榎木津ですら・・・

実は、この作品、冒頭が結末場面というスタイルを取っているため、
いかに勘の悪い読者でも、犯人の正体にすぐ気づいてしまうんですよね。
ミステリとして犯人当てだけに価値を置くなら、この作品は低評価でしょう。
でも、途中経過や犯人vs探偵側の駆け引きを味わうのが、この作品の本来の姿かも。
しかも、単純には捉えられない叙述的部分もありますし。

キャラ好きの私としては、探偵一味の活躍に大満足したし、
ある種ミステリに対してメタ的な見方を含包する奥行きのある作品だから、
かなり何度も読み込んでます♪
ちょっとえぐい内容もあるけれど、美しさも感じる、美醜合わせ持つ作品です。

次の『塗仏の宴』を読む前には、必読の書です☆


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2 コメント

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おおっ! (あかね)
2009-06-12 12:29:23
再読進んでいますね♪
同じく
キャラ好きの・・・あかねです(笑)

よくよく思いだして見ると
鉄鼠の檻 以降未読でした・・・京極作品

この本も・・・分厚いですよね
でも一気に読めてしまう感がありそう
夏の間に読みたい1冊です
返信する
あかねさんへ (viviandpiano)
2009-06-13 00:13:46
読み始めると、
次の作品ではどうだったっけ?となって、
続けて読んじゃいました(笑)
しかし、分厚いですよね~(^^;

次の「塗仏」は、2冊に分かれてます。
関口が痛々しい作品なんですよね~。
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