淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

マスコミ等で話題騒然の過激な映画「ハード・キャンディ」。うーん。女の子って怖い!

2006年12月05日 | Weblog
 首都圏で映画が公開されたのが8月。
 各誌のマスコミ映画評でもセンセーショナルを巻き起こしていた。
 僕はなるべく、実際の映画を観るまでは予備知識を得ないようにしているので、映画評も斜め読みして全体像は追わないことにしているけれど、それでもこの映画の話題は入って来る。だから、市内での上映をとても楽しみにしていた。

 で、早速「シネマ・ディクト」。
 何か最近、谷田館主と会わないなあ。あの人の笑い声を聞かないと、イマイチ気合が入らないんだけどね。しかたがないので、缶珈琲を買って、シートにゆったりと身を沈め、静かに目を瞑る。この時間がいいんだなあ。

 インターネットの出会い系サイトで知り合った、ヘイリーという14才の女の子と、32才の売れっ子カメラマンのジェフという男。
 3週間の間、二人は互いのことをチャットし合って打ち解けあい、会う約束をする。実際に会って、ジェフは、14才という年齢の割には大人びて見えるヘイリーに一目で惹かれてしまう。
 ヘイリーは、父親が医学博士で、自分も大学院の授業を受けているといい、分厚い医学書をバックからちらっと見せたりする。二人は打ち解けあい、ジェフはヘイリーを、郊外にあるスタジオ付きの自宅へ無防備にも招き入れる。
 しかしそれは、ある目的のために仕組まれた、巧妙で残酷な罠だった・・・。

 登場人物は、ほとんど二人だけ。
 場所も、ヘイリーの自宅とその付近がほとんどを占める。舞台劇としても十分成立するだろう。かなりの低予算で作られたのではないか。
 ところが、そんなチープ感はまったく感じない。スピーディな会話と、展開の目まぐるしさで、観る者を最後まで飽きさせない。脚本と演出の巧さが、この映画を最後まで引っ張っているのだろう。

 本当は、もう少しラブ・ストーリー的な要素が加わるのかとも思っていたのだけれど、もうそんなレベルは超えていて、映画はストレートな直球勝負に終始する。
 1時間43分の映画だけど、途中ダレるという部分がなく、一気にラストまで流れ込むのはさすがである。
 監督のデヴィッド・スレイドは、これが長編映画一作目ということらしいが、今後も期待できる新人監督の一人かもしれない。これまでも、音楽ビデオを数多く手がけてきたらしいが、もう完全に職人の域に到達している。

 それから特筆すべきは、何と言っても主役の女の子、エレン・ペイジだろう。この子の演技、凄い。14歳という設定だけれど、実際はもっと上らしい。でもこの女優、はっきりいって巧すぎる。
 その意味からして、この「ハード・キャンディ」、彼女の素晴らしさが映画そのものを面白くしているといって過言ではない。

 ただ一点、仮にこの映画の好き嫌いが分かれるとしたら、たぶんそのテーマと復讐手法だろうと思われる。観る側に、ある種の嫌悪を感じさせる部分がないわけではない。これ以上書くと、ネタバレになる可能性があるのでこの程度にしておくけれど。

 しかしなあ。
 近頃の女の子って凄いね。
 まあ、映画は、現代のひとつの象徴としてセンセーショナルに描いているだけかもしれないけれど、10代の女性が内に秘めているパッションや怒りやフラストレーションの発露として、あるいはその対極に、か弱い中年の「おじさま」たちが位置しているともいえる。

 女の子、それも特にロリコン趣味のおじさんたち。必見かもよ。
 俺は、別にロリコンじゃないからいいけどさ。




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする