淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」

俺好き、映画好き、音楽好き、ゲーム好き。止まったら死ぬ回遊魚・淳一が、酸欠の日々を語りつくす。

6代目ジェームズ・ボンドにダニエル・クレイグ。映画「007 カジノ・ロワイヤル」の出来や如何に。 

2006年12月03日 | Weblog
 最初、ニュー・ジェームズ・ボンドにダニエル・クレイグが決まったと聞いたときは、ちょっとがっかりした。だって、そんなイケメンというわけでもないし、どちらかと言えば武骨で、スマートさに欠けるような印象を持ったからだ。どうしても前任者と比較してしまう。
 それに、ボンド・ガールも、クランク・イン直前まで中々決まらず、映画自体も遅れるのではという憶測も流れたほどだ。

 そして、遂に全米公開。
 これまでの007シリーズを制作していたMGMは、ソニー(コロンビア・ピクチャーズ)に買収されたため、今回からの配給は当然ソニーが担うことになり、どの程度の興行収益が上がるのかも注目されてのアメリカ公開となった。

 ふたを開けたら、大ヒット。公開二週目で1億ドル突破。首位はペンギン・アニメに譲ったけれど、それも僅差ということで、前作を凌ぐ勢いの大ヒットと相成った。

 今回は、主役にダニエル・クレイグ(「ミュンヘン」「レイヤー・ケーキ」)を迎えての、イアン・フレミングによる最初の原作を元にした、ジェームズ・ボンドが007になるまでを描くシリーズ第21作ということになる。

 そして何と、脚本には、あの傑作「クラッシュ」や、現在日本でも公開中の映画「父親たちの星条旗」のポール・ハギスが参加したのである。
 もうこれを聞いただけで、心は踊り、俄然、映画への興味が増してしまった。
 それから、監督には第17作「ゴールデンアイ」以来の再登板となったマーティン・キャンベル。「マスク・オブ・ゾロ」や「バーティカル・リミット」も撮っている。無難と言えば無難な選択かも。

 映画館は、超満員。
 やはり、007というネーム・バリューだけでこれだけの動員力があるんだなあと、思わず唸ってしまった。僕が働く組織の№2の方も、御夫婦で観にいらしていた。最後尾の列に座って、珈琲とポップコーンを頬張りながら映画の上映を待つ。

 映画は、冒頭から激しく動く。
 アクション映画には定番の追っかけっこも、これまでの007シリーズで展開されてきたド派手で荒唐無稽で、余りにも「あり得ねえ!」パターンは極力排し、生身の人間による、汗と痛みの感じるものへと変えている。
 なにしろ、主役のダニエル・クレイグ。走る、走る。全力疾走で敵を追いかける。これまでのボンドの洗練さやかっこよさはないけれど、その肉体美もあわせてよく動き回る。

 そうなると、何かこのニュー・ボンド、違和感なく見られ、だんだんピッタリと映画の中に嵌まってくるから不思議だ。
 
 ジェームズ・ボンド最初の任務は、世界中のテロリストを資金面で支える男、ル・シッフルという危険人物の資金を絶つことだった。
 その男がモンテネグロの「カジノ・ロワイヤル」で大勝負に出ることが明らかとなることから、ボンドはその目論見を阻止し、ル・シッフルの組織を壊滅に追い込むためモンテネグロへと向かう。そして、そのボンドのもとに、Mは監視役として美女ヴェスパー・リンドを送り込む。
 最初は反発し合う二人だったが、任務を遂行するうち次第に二人は心を惹かれていく・・・。

 今回は、ラブ・ストーリーの要素が多少濃い。なので、ノン・ストップ・アクションのたぐいを期待すると失望感が漂うかも。
 ただ、アカデミー賞を取ったポール・ハギスが加わった脚本は、きちんと一本太い線が通っていて、映画としての完成度も高い。

 次回も期待できそうだ。




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