テルミンの彼方へ
宇宙とシェアする楽の音
 



ピアフ

ピアフ こんなに滅茶苦茶な性格だとは知りませんでした。 すごい わがまま女王ぶりです。 アルコールと麻薬で ぼろぼろだし。 なんだけれど どことな~く 憎めない。 周りの人も 何故か みんな いい人です。 どこまでが設定 で どこまでが本当 なのか知りませんが きっと ピアフの周りには ピアフを利用しようする人 よりは ピアフを本当に好きでいる人 の方が 沢山集まってきたんだろうなぁ と思った。

下町(というより なんか 貧民窟みたいな。。。)で育ち 母親に捨てられて 娼館に預けられ 虚弱体質なので失明しそうになり 大道芸人の父親と一緒に旅して ストリートに立ち そして 見いだされて栄光への道をすすみ でも 心の中は孤独でいっぱいのピアフ(=雀という意味) 麻薬におぼれ アルコールに浸り 恋人は飛行機事故で亡くなり 自分も 交通事故で重傷を負い。。。。 

キャバレーから 大劇場へ と 歌う場所が変わっても 相変わらずの下品さ(と言って いいんだろうか これ。 でも 可愛いんですよ~) 「歌えなくなったら死ぬ。」と言い切り 歌う事だけによって 自分の立つべき場所が実感でき 自分の存在を感じる事ができる。 それで あの 天性の 迫力ある歌声。 

野心。。。は あったんだろうけれども あまり それを感じさせない。 何か利用して のし上がってやろう とか そういう邪心が見えてこないのが いいのかなぁ ピアフ。

この映画では 人の歌声の持つ力 というものを しみじみと感じてしまいました。 歌の部分は 大半は ピアフの録音の吹き替えです。 映画に流れる音楽とともに 場面が 急に深みを帯びる。 

父親と一緒に ストリートに立つピアフが 「何かやれ」と脅されて突如歌い出す「ラ・マルセイエーズ」。これは 女優さん本人が歌っているのかしら。 この歌は どんな場面で歌われても 盛り上がる歌だなぁ と つくづく思いました。 「カサブランカ」の酒場での有名なシーンとか。

「君が代」。。。。う~ん 盛り上がらない気がする。

物語は ピアフの幼い頃からの話を時系列で追ったものに 晩年のピアフの映像が ばらばらと挿入されます。

有名な「愛の讃歌」 え~ これは 恋人マルセル・セルダンに捧げられた曲です。 が 実は マルセル・セルダンは 奥さんも子どももいる人で 幸せそうは幸せそうですが あんまり推奨されるべき相手ではなく しかも セルダンが ピアフに会う為に飛んでくる飛行機が落ちて 死んでしまった という そんな悲しみの中で歌われる曲です。

(だから これは 結婚式で歌うには あまりにも不吉な歌ですよ というのは しばしば言われる事です)

何故 ピアフがマルセルに惹かれたのか 実は よく分からないんですが(映画でも 唐突に恋が始まる) 最後に ちらっと ピアフの娘の話が出てくる。16歳で産み 2歳で亡くなった。 親友のモモーヌしか その事実を知らない。 その娘の名前が マルセルだったらしい。 関係無いのかもしれないけれども 何か 人には言えないけれども 忘れたくない思い出 そんなものと結びついた マルセル という名前。

この「愛の讃歌」 うっかりすると 物語のクライマックスに持って来てしまいそうですが この映画では そうはしない。 ここは フルコーラス聞かせる事もなく さらっと 次の場面へと進んでいきます。

最後のシーンは 舞台への復活を果たしたピアフが歌う「水に流して」 ピアフは 堂々と わたしは後悔していない と 歌い切る。 ああ こうでなくちゃ。 これは 「愛の讃歌」という曲にまつわる悲恋物語 ではなく 歌に生きたエディット・ピアフの物語なんだし と思った事でした。

それにしては 「エディット・ピアフ ~愛の讃歌~」という この映画のタイトルは おかしい。 パンフレットを見たら 原題は「LA VIE EN ROSE」でした。 

DVD・映画)  コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )



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コメント
 
 
 
シャンソン (THEREMINMAN)
2007-10-16 18:26:26
今週末は、シャンソン歌手の井関真人さんとご一緒するのですが、それまでにこの映画を見ておこうと思っていたんですが、行かれなくて…
 
 
 
Unknown (ようこ)
2007-10-19 11:04:13
あら~。昨年 井関真人さんのディナーショーに伺いました。
そこと同じ場所で わたしも その後 ディナーショーさせていただいたんです(*^^*)
 
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