フィクションのチカラ(中央大学教授・宇佐美毅のブログ)
テレビドラマ・映画・演劇など、フィクション世界への感想や、その他日々考えたことなどを掲載しています。
 



 私が編者を務めた論文集『村上春樹と二十一世紀』が刊行されました。
 千田洋幸さんとの共編著(おうふう、2016年9月)で、『村上春樹と一九八〇年代』(2008年)『村上春樹と一九九〇年代』(2012年)に続く、シリーズ3冊目。これがシリーズ完結編となります。
 目次を紹介します。目次は下記の通りです。


はじめに(編者

【論文編】
第Ⅰ章 長篇小説の世界
暴力を見ること×暴力を語ること――村上春樹『海辺のカフカ』の世界(野中潤
補完されるテクスト/招喚するテクスト――『アフターダーク』をめぐって(木村友彦
村上春樹の西海岸文脈――全共闘運動から『アフターダーク』へ(矢野利裕
未来を語る物語――村上春樹『1Q84』と舞城王太郎『ディスコ探偵水曜日』(石川治樹
村上春樹『1Q84』とよしもとばなな『サーカスナイト――「産むこと」をめぐって(早川香世
偶然と相似――村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を中心に(大川武司
読者による喪失体験からの回復と危機の隠蔽――村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』の受容をめぐる研究(田村謙典
村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』における物語化の暴力性――「唐突すぎる」切断/接続と連鎖する「選択」 (山田夏樹

第Ⅱ章 短編小説の世界
カタストロフのあとを生きる―『神の子どもたちはみな踊る』と『風の谷のナウシカ』(齋藤祐
「バースデイ・ガール」――「個」を損なう物語の在りか(深津謙一郎
「品川猿」論――「名札」は「蓋をして」「押入の奥」に「押し込」まれていた(駒ヶ嶺泰暁
連作短篇集『女のいない男たち』論―ワインをのむ女たちと、谷村がかたる三つの物語(平野芳信

第Ⅲ章 村上春樹作品の文化論的可能性
ユニクロと村上春樹(藤崎央嗣
村上春樹作品における少女と「暴力性」(戴暁晨
テクストから書物へ――モノ/現象としての村上春樹(長谷川達哉
死者と可能世界――村上春樹の一九九五年/『あの』の二〇一一年(千田洋幸
巻き込まれる男たち――村上春樹作品における〈成長すること〉の意味(宇佐美毅

【研究史編】
『アフターダーク』(矢野利裕
『海辺のカフカ』(野中潤
『1Q84』(早川香世
『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(山田夏樹
『東京奇譚集』(松井史絵
『女のいない男たち』ほか(苗鳳科
講演・スピーチ(藤崎央嗣
エッセイ(鈴木さとみ
国語教科書に掲載された村上春樹作品(駒ヶ嶺泰暁


 共編者である千田洋幸さんと私と研究面でつながりのある執筆者が多いのですが、今回はシリーズ完結編ということもあり、深津謙一郎さん、平野芳信さんにも特別に寄稿をお願いしました。充実した論文集になっていますので、ぜひ多くの人に読んでほしいと思っています。



※このブログはできるだけ週1回(なるべく土日)の更新を心がけています。












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