60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

脳による自動処理

2006-08-20 22:32:18 | 文字を読む

 aは一桁の足し算で、bは掛け算ですがどちらのほうが楽に答えが出るでしょうか。
 原理的には7×5は7を5回足すのでbのほうが難しいはずです。
 ところがたいていの人は九九を暗記していて答えが自動的に出てくるので、bのほうが楽に答えられます。
 もし、足し算の九九というものがあって、暗記していれば足し算のほうも自動的に答えが出て楽に答えられるはずです。 
 実際には一桁の足し算は簡単だと見られ、答えを暗記してはいません。
 したがって、一桁の足し算は難しくはないのですが、次々と計算しなければならないときには自動的に答えを出せなくてつまづくこともあります。
 
 一桁の計算を早くさせると脳が活性化するとかで、こうした計算をしている人もかなりいるのですが、こうした計算は何度もやっているうちに自動的に答えが出せるようになります。
 そうなると楽に答えが出てしまうので、脳は活性化しなくなるので、脳のトレーニングがしたいならもっと難しい問題にすることが必要です。
 簡単な足し算をやって脳の血流が増加するのは計算の不得意な人で、計算に慣れている人は、自動的に答えが出てしまうので脳があまり活性化しないそうです。
 一桁の足し算の場合はパターンが少ないので、高齢者だからといって繰り返しやっていると答えを覚えてしまって、自動的に答えが出せるようになるので無意味になります。
 楽すぎると思う人はcのように二桁の足し算にすれば自動的に答えが出しにくいので、脳の運動にはなると思います(そろばんの出来る人は自動的に計算できるのでやはり無効ですが)。

 dは6個の数字を加える問題ですが、目で数字をとらえるのは一瞬です。
 一瞬にすべての数字をとらえることは出来るのですが、その合計は一瞬には計算できません。
 文章で言えば、一つ一つの文字は一瞬に見て取れても、意味が分からないというのと似た関係です。
 同じ足し算でもeのように並んでいて、(4+6)=10、(7+3)=10という関係が自動的に見えれば、答えはたちどころに出てきます。
 視野が狭いとeのような問題でも端から単純に計算してしまい、時間がかかってしまうのですが、自動的に答えが出せる数の組み合わせを覚えていなければ能率は上がりません。
 文章を読む場合にも、単語の意味が自動的に分かるものが多いほど文の意味が理解しやすいので、単語を多く知っているというだけでなく、すぐに意味が想起できることが必要です。