60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

文字の一瞥記憶

2006-08-17 23:06:44 | 文字を読む

 図の左上の文字列はロシア文字とギリシャ文字をあわせたもので意味はありません。
 たいていの人はなじみのない文字なので、一瞥しただけでは記憶できません。
 2行目は英文字なので、ちらと見ただけで記憶できるかもしれません。
 「874265」や「がしんりく」は意味のない記号ですが、数字やひらがなは日常的に使っているので一秒ほど見れば記憶することは出来ます。
 ところが「こんにちは」のように意味を持っている文字列の場合は、パッと見ただけで記憶することが出来ます。
 また数字の場合でも「24613」のように何らかの規則性がある場合は同じ字数でも記憶しやすいことが分かります。
 
 漢字の場合、「国語」とか「電光石火」のように文字数が少なく、意味がある文字列の場合はパッと見ただけで理解し、記憶することが出来ますが「護情法報保」のように意味のない文字列になると、記憶しにくくなります。
 漢字かな混じり文の「情報を保護する法律」のように文字数が増えると、なれない場合は主観的に見ただけでは全体を記憶できません。
 音読または頭の中で内読すれば記憶できるのですが、少し時間がかかるので、ちらと見ただけではまにあいません。
 無意味な数字列や、文字列の場合覚えにくいのは、意味がすぐに分からないので音読あるいは内読しようとするのですが、なじみがないので自動的に読めずに時間がかかってしまうためです。

 文章を読んでいくとき、読んだ単語や文を、読むそばから忘れて言ったのでは文章は理解できません。
 したがって一時的には、読んだ単語や文を記憶する必要がありますが、一時的な記憶がスムーズに行われないと読むのに時間がかかる上に、全体の理解も悪くなります。
 記憶するために音読とか内読をすると読み取りの時間が遅くなるので、できるだけある程度の文字数を一瞥するだけで記憶できるようにしておきたいものです。
 
 アメリカの速読術の初級は瞬間的に提示された単語を記憶するというものですが、見た瞬間に単語を認識出来ることがすなわち記憶できることだからです。
 このような訓練はとくに速読を目的としなくとも、普通の読書にも役立ちます。
 文字の瞬間的記憶ができるということは、文字を見たとき見ただけで自動的に理解できるということなので、読むときの脳の負担が少なくなり、また眼を凝らすことも少なくなり、目が疲れにくくなるからです。