60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

視覚的な作業は速い

2006-08-16 22:59:16 | 文字を読む
 374568という数字を一瞥して35万4568とすぐに数が頭に入る人は多くはありません。
 「サンナナヨン、ゴーロクハチ」というふうに文字列として頭に入れるのは楽なのですが、数として理解するには位取りなど脳による処理が必要なため時間がかかってしまうためです。
 漢数字であれば文字列としては「三七四五六八」ですが、数なら「三拾七万四千五百六十八」と表示されます。
 アラビア数字に比べ、およその数の大きさは頭に入りやすいのですが、表示が長いので細かい部分は把握しにくくなっています。
 
 視覚的には374568というのは一瞥して簡単に把握できますし、三拾七万四千五百六十八というのも11文字ですが、一瞥して把握できます。
 一つ一つの文字はハッキリ見えているのですが、数としてはすぐには把握できていない、つまり意味的な理解は遅れるのです。
 眼で見て、一つ一つの文字は分かるけれども、文字列全体の意味はすぐに把握できないという例は、漢字が長くつながっている場合に多く経験します。
 新聞に出てくる表現は、難しい漢字でなくても長くつながった単語があるので、分かりにくいものがあります。
 
 上の例のような場合、一つの単語がいくつかの単語から出来ているので、見慣れていなければ頭の中で組み立てて意味を解釈しなければなりません。
 パッと見て自動的に意味が把握できるわけではないのです。
 目で見て取るという視覚的な作業は早くできるのですが、脳での理解が時間がかかるのです。
 理解が出来ないとその場に視線が固定されてしまうので、目を動かすスピードが遅いように見えますが、遅いのは脳です。
 上のような例は特殊なのですが、普通の文章を読む場合でも、目に入るスピードに比べ頭で理解するスピードはとても遅いのがふつうです。
 そのため視線が固定されて、目が疲れてしまうという結果になるので、目が疲れないようにするには、見た文字の理解スピードを上げることが大事です。