先日の編集会議で、私の書いたコラム原稿に人形浄瑠璃文楽の語りを「太夫」と表記したら、大阪からお越しの編集委員から、「大夫」にしないと怒られまっせと指摘された。変だなあ、事前に浄瑠璃も専門分野の一つである同居人に校閲してもらったんだがなあと、訝しく思いながらも、後で確認しますと引き取って帰った。
文楽の場合、名前に付ける表記は「大夫」である。「住大夫」「綱大夫」のごとし。そして、歌舞伎の竹本は「太夫」なので、これをチョボと称して、まあバカにするわけだな。
ところが、普通名詞の場合は「太夫」とするのが一般的で、内山美樹子先生のお書きになったものもそうなっている。文楽協会のHPを見ても、名前以外は「太夫」である。
しかし、文楽公演のパンフレットなどでは「大夫」になっているので、一種の過剰反応が起きてきるのではというのが同居人の見解だった。それでも国立文楽劇場のSさんに尋ねてもらったところ、国立は「大夫」としているが名前から敷衍しているらしく、普通名詞としては「太夫」とするのが常識的だろうとお返事だった。
点ひとつでも、なかなかに難しい。三味線方も、「尺さわ、半ざわ、本ざわ」といって、「野澤…」の「澤」の字をどう書くかで、ヒエラルキーが示される世界である。
お年玉付き年賀はがきの3等が1枚だけ当たった。賞品が届いたので、あな嬉しや! 青山学院大のH先生のお蔭である。神戸北野亭ビーフシチューが5個。H先生なれば、「煉瓦亭」だったらもっとぴったりなんだがなあ…(分っかるかな~?)。ともあれ、有り難くて涙が出る。
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