そのころ、世に数まへられぬ古教授ありけり。

この翁 行方定めず ふらふらと 右へ左へ 往きつ戻りつ

10月24日(日)

2010年10月24日 | 昔日記
 広島の学会で院生が研究発表するので、1泊で往還した。土曜の懇親会はパスして、広島だから牡蠣を食う。画像は「八寸五点盛り」。生牡蠣も頼んだら、広島産はまだ入荷僅少とのことで、米国ワシントン州産のほうがたくさん出た。何のこっちゃ。

 宿は北口から歩いて5分の安いところにした。朝食に行くとS先生がいらっしゃった。こちらが定宿とのこと。

 今回は研究発表が少なく、それなのにウチの院生が2人も出ることになっている。事務局のN氏から、オタクからも出してよと言われたので、関係者間で相談してT教授が研究指導の優秀なのを1人応募させた。そうしたら、まだ足りないからもう1人出せと言われ、お前さんは山陽出身なのだからと、ウチの研究室のEさんにも応募を命じた。それでも足りないから、アンタ自身もやってよ(私は山陰出身なんだが)と、N氏からまたぞろ打診があったが、それはご勘弁願った。N氏の頼みで、次の次の当学会事務局も引き受けているからな。まあ、同年齢の研究者仲間からの依頼は、断りにくいものだが。

 バスの時間を見計らって、早めに駅の南口のバス停に辿り着くと、発表者のEさんが居た。一緒に会場校へ向かう。もう1人の発表者Aさんは既に到着していた。感心、感心。会場校のホストI教授は、私の研究室の先輩である。昨日はサボって済みませんと詫びを入れる。研究発表会場に入ると、「やっと師匠が来おったか」と声がかかったので、「私が師匠だと支障があるかな?」と返事をしたら、笑われた。

 Eさんの発表は午前中の2番目で、まあ、落ち着いて何とかなったかな。質問者が皆、岡山・広島の方々だったのが面白かったが。ただし、一番の目玉である狭衣享受の指摘部分だが、享受史においてこの作者のこの作例がいかに突出したものであったかを聴衆に理解してもらうべくは、工夫が今ひとつ足りなかった。既に論文1本書いているのに、それもあげてなかったしね。後の祭りである。しかし、出た質問はすべて想定範囲内で、その点はリハーサルを聴いた研究指導教授の面目は立ったといふべし。

 宇品の「グランドプリンスホテル」に連れて行っていただく。眺めのよいレストランで談笑。とはいっても、話題はついつい、愚痴と人の悪口になってしまいましたがね。イチジク入りの自家製パンが美味しかった。乾燥イチジクを練り込んで焼いた小さなパンで、形もどことなくイチジクに似ている。ウェイター氏が「プチプチして美味しいですよ」と言うので、「だから小さなパンなのですね」と返事をしたら、このフランス語の駄洒落はお分りいただけたようだ。

 広島駅まで送っていただき、新幹線に乗る。土産に紅葉饅頭を買うなら天光堂の「あきもみじ」にしなさいとアドバイスを受けたが、駅の売店には見当たらなかった。仕方が無いのでホームの売店で、かろうじて「因島はっさくゼリー」を5個買う。

 同居人が名古屋から、新幹線に乗ったとメールしてきた。×××氏はやはり、豊橋の学会に出没?したよし。古写本発見のニュースにコメントしていたが、偉くなったものである…いや、本当にお偉いんだから、結構なことだ。しかし、学会ではA先生にあれこれ言われていたらしい。

 4時間は結構長い。金曜日の演習で、学生が探してきた論文をプリントアウトして持っていたから、読み始めたら噴飯物の内容だった。いよいよこのテーマで本を一冊書くかなあ。

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