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史跡訪問の日々

幕末維新に関わった有名無名の人生を追って、全国各地の史跡を訪ね歩いています。

小牛田

2010年09月04日 | 宮城県
(満徳寺)
 息子が石巻線の始発に乗るというので、早朝五時に古川のホテルをチェックアウトして、小牛田(こごた)駅に向かった。
 この日のターゲットである青森県八戸方面にそのまま向かう手もあったが、せっかくなので小牛田駅に近い満徳寺を訪ねることにした。満徳寺は、現在の住所表記でいうと、大崎市松山という地域に属するが、かつて松山は小さいながら仙台藩の支藩であった。仙台藩領はいくつもの支藩に分かれていた。松山は、茂庭氏の城下で、戊辰戦争に際して、本藩に従って松山でも一隊を編成して参加している。


満徳寺


戊辰戦役招魂之碑

 満徳寺境内には、明治二十三年(1890)建立の松山隊の出兵を記念した戊辰戦役招魂之碑がある。

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一関

2010年09月04日 | 岩手県
(一ノ関駅)
 JR一ノ関駅(息子によれば、地名は一関であるが、JRの駅名は一ノ関と表記されているらしい)を出ると、三人の胸像が一つの台座に乗っているという、全国的にも珍しい像がある。「大槻三賢人の像」である。三賢人とは、大槻玄沢、大槻磐渓、大槻文彦の三人のことである。


大槻磐渓胸像

 大槻磐渓は、享和元年(1801)に江戸で生まれた。父は大槻玄沢。幕府の昌平黌に十年学んだあと、畿内、長崎を周遊し、高島秋帆、頼山陽らと親交を結んだ。天保十三年(1842)に仙台藩侍講。ペリー来航時には開国論を主張して、老中阿部正弘に書簡を送って、ロシアとの国交の必要を説いた。文久二年(1862)、仙台藩藩校養賢堂の学頭副役に就任した。磐渓は攘夷の不可能を主張し、仙台藩佐幕派但木土佐らを理論的に支援した。慶応四年(1867)、慶喜追放反対の建白書を起草。仙台藩降伏後は、入獄を命じられたが、その後赦され東京に住んだ。明治十一年(1878)、七十八歳にて死去。


大槻玄沢胸像

 大槻玄沢は一関藩出身の蘭学者。一関藩医大槻玄梁の子として宝暦七年(1757)に生まれた。号は磐水。杉田玄白、前野良沢という二人の師から一字ずつもらって玄沢と称した。安永七年(1778)に江戸に遊学し、杉田玄白、前野良沢に師事した。天明五年(1785)には長崎に留学。その後、本藩である仙台藩の藩医に推挙され、江戸詰めとなる。この頃、私塾芝蘭堂を開き、多くの人材を育てた。生涯に三百を超える訳術書を著した。文政十年(1827)死去。玄沢以降、大槻家からは磐渓、文彦(国語学者)など、著名な学者を輩出した。

(祥雲寺)


祥雲寺

 祥雲寺は、仙台藩ニ代伊達忠宗側室房姫が開基で、初め房姫の命により、その子供であり、田村家中興初代田村宗良が、当初岩沼に大慈寺として開創した。ニ代田村建顕のとき一関に所替えとなり、大慈山祥雲寺と改められた。一関藩主田村家の菩提寺である。


田村崇顕公之墓

 田村崇顕(たかあき)は、一関藩第十一代藩主。慶応四年(1868)、戊辰戦争の責任を取る形で、前藩主田村邦栄が隠居させられたため、急遽藩主の座を継いだ。版籍奉還後は藩知事にも就いた。大正十一年(1922)、東京にて死去。


戊辰戦役生還者姓名碑


戦死舊一関藩士碑

 祥雲寺の山門を少し下がった駐車場にいくつか石碑が並んでいる。うち二つが戊辰戦争に関するものである。

 一関藩は、本藩仙台藩とともに奥羽越列藩同盟に参加し、秋田での戦争にも派兵したが、仙台藩が降伏すると軍を引き返し、藩主邦栄は祥雲寺に謹慎した。のちに三千石を減じられ、藩主は隠居という処分を受けた。

(龍澤寺)


龍澤寺

 JR山ノ目駅の傍にある龍澤寺は、文治二年(1186)に建立されたという古刹である。火災や水害に遭いたびたび場所を変え、現在地に移ったのは天和二年(1682)のことという。龍澤寺の駐車場には黒御影石の大きな「大槻玄沢顕彰碑」が建てられている。


正四位大槻玄澤先生顕彰碑

 岩手、青森の史跡を訪ねた今回の旅はここまでである。この四日間で撮影した写真は二百枚ほどで、昨年、会津若松を旅したときの六百枚には遠く及ばない。その代わりこの間の走行距離は二千六百㎞を超えた。振り返ると、ずっとハンドルを握っていたような気がする。帰路、東北自動車道では激しい渋滞が発生していることが報じられていたので、仙台から常磐自動車道経由で帰ることにした。五時に一関を出発して、大きな渋滞に遭うことなく、深夜一時過ぎには自宅に帰り着くことができた。さすがに疲れたのだろう。途中から息子は助手席でずっと寝ていた。

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