これが私の生きる道

こむずかしいことやきれいごとは
書いてありません。
読みやすさを心がけて書いています。
読んでみてください!!

「無理」奥田英郎著

2010年03月05日 18時26分31秒 | 読書
「曲げられない女」を今見終わりましたけど
回を重ねるごとに展開に無理がそこらかしこに、
偶然多すぎるし、ラスト15分のラストスパートで次週も見てもらおうという手法が
今週はやけに目についてしまいました。
そんな風で次回予告がはじまったら何と次が最終回とのこと、
いきなりお腹が大きくなり、司法試験直前になっていて
これゃなんとか最後まとめようと強引な展開が予想されます。

最初は楽しかったけど、菅野美穂だったからよかったんだよな。
きっと「リアル曲げられない女」は光浦靖子っぽい人で
そしたらあの生き方にはほとんどの人が賛同しないのが
現実のような気がします。

昨日、奥田英郎著「無理」を読み終わりました。
550ページ弱ありましたが、3日間位で読了しました。
3つの町が合併してできた「ゆめの市」で生活している5人の住人の群像劇で
それぞれ悩みや事情を抱えています。
生活保護、新興宗教、地方の過疎化、悪質セールス、主婦の援助交際、談合など
現代の負な事柄を織り込んでいて
話は分かりやすくてサクサク読めます。

同じ筆者で「最悪」「邪魔」というテイストの似た作品があり
これで3部作のようです。
前2作も面白くて、今回も期待して読み始め
決して面白くないわけではないんですが
イマイチ物語に引き込まれないので何でかと考えていたら
そもそも物語があまりないんじゃないかということに気がつきました。
先に紹介した現代の事象をただ羅列しているだけで
作者のオリジナリティみたいなものが見えてきませんでした。

素材をそのまま皿に載せてそれがたとえ美味しいとしても
料理人の腕が優れているかというとそういうわけではないと思うし
これがノンフィクションだったらいいけどフィクション小説なわけで。
大体問題定義しているようにみえて
筆者自身にそれを是正しようみたいな意気込みはなくて
ただ材料として使わせていただきました、的な部分がちょっと冷めました。
鳩山首相が資産何億ももっているのに
「国民の生活が第一」って言っているのと同じで
それって本気じゃないでしょう、って。

まぁでも合間合間に煌く文章もあって
新興宗教の教祖が信者にいうセリフで
「親は、自分が産んだ子供だから、
自分がいちばんわかっているなんて思い込んでいる。
ところが子供からしたら、いちばん無理解なのが親だったりするわけだ
肉親にも別人格があるなんてこと、思いもしないからね。」
っていうのは中々いいと思いました。
他にもあったんですけど忘れちゃったので
気になる方は読んでみて下さい。

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