夢発電所

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久しぶりの秋の野田村

2012-09-30 07:35:07 | チームオール弘前
9月29日(土)

 同じボランティア会のM氏と一緒で、久しぶりの野田村である。弘前市役所駐車場をAM7:00に出発し、弘前大学正門前を7:15。大型バスに社会人16名、学生6名、教員2名の参加者となった。バスのメンバーである社会人は馴染みのK氏、S氏、T氏など常連組もいて心強い。
 作業内容のふれこみは稲刈りであったが、結局①小学生の学習指導(遊び援助)②砂利敷き③蕎麦刈というグループに分かれての作業となった。
 弘前を出る時の空は黒い雲が覆っていて、現地はどうなのか少し不安であった。高速道路を岩手時路に進み始めたら、雨がバスのウインドウを濡らし始めた。雨具の備えはなく、こりゃ困ったなと思い始める。
 現地に10時30分ごろ到着し、自分の作業場所拠点「餅のつきや」さんに到着する。
 

 被災地野田村は、昨年の3月11日から約半年が経過している。JR三陸鉄道北リアス線も久慈までは開通しており、これから避難所の住民たちの高台移住も決定済みとのこと。人口4,800人程度の村は、すこしずつではあるが復興が進んでいると聞いた。
 震災津波で打撃を受ける前から、三陸沿岸のこのちい行きの課題は高齢化と、若者の人口流出があったと聞く。そういう意味では、これから復興と同時に高齢者福祉の問題も含めて、町の産業経済は厳しい側面を持っている。

 餅のつきやさんのすぐ裏手には、特別養護老人ホームがあった。
 野田村の復興に大きなエネルギーを持つ、二人の女性リーダーがいる。その一人がこの餅のつきやさんの主人小野寺さんと、米田地区の豆腐田楽などを経営する米田やすさんである。この二人を弘前市のボランティアが支援することで、地域の活性化基盤が安定することにつながると考えていると、弘大イ教授は言う。

 ということでもうお昼近いのだが、ちんたら歩いてそば畑を目指した。小雨が降っている道を山手に向かい15分ほど歩くと、ようやくそれらしい畑に出た。枝豆や小豆、かぼちゃなどが作付けされている一画に、これから収穫するそば畑が1反歩程広がっていた。岩手県はこのほか粟や稗、キビ、などのほか、食用菊、花のリンドウなどが栽培されている。
 
 この地域はヤマセもあるためか、沿岸部の稲作はあまり期待できない。しかし少し山間に入ると水田が結構広がっていて、これから稲刈りが行われるのだろう。

 現地の畑で作業を教えてくれる二人の方のお一人は、自宅も財産の一つ車両も皆流されたと語っていて、将来への希望も見いだせないと愚痴めいていた。
 

 蕎麦刈作業に就くのは初めての経験の方ばかりで、私ものそ一人である。そばは荒地でも育つのが特徴で、逆に栄養が多すぎると枝ばかりが多きすぎて実がつきにくい。この畑はどちらかと言えば田んぼだったところなのか、少し栄養が多いようである。
 成長したそばの根本は赤色に染まり太いものは手でもポキリと折れるので初めは窯は使用しなかった。しかしノコギリガマが後で手渡されて、かなり効率的なことがわかった。普通晴れた日でないとそばの刈り取りはしないものらしいが、この日の私達のために配慮してくれたような気がする。雨の日のそば刈は、カビが生えると聞いた。
 そばの収穫作業はそばがらをノコギリガマで刈り取り、二つかみを一束に束ねて藁で縛る作業である。
 学生たちも初めての藁紐での束ね方を、年配のおじさんから体験で学んでいた。
 午前中はほぼ1時間程度で作業を終え、つきやさんに帰還した。搗きやさんではお馴染みの搗きや弁当やナスの漬物、じゃがいもや人参イカの煮物などが振舞われた。

 午後1時30分から午後2時30分までの小一時間また作業を継続。
 
 衣類はほぼびしょ濡れにはなったが、予定時間までの作業をクリアした。

 この収穫した蕎麦の束を干して乾燥させ、粉にしてお蕎麦をいただく。ここまでの工程を最後まで体験することが、これからの野田村訪問の楽しみとなるのだろう。
 周囲はまだ初秋ではあったが、萩の花やキバナアキギリ、ムクゲなどの秋の花が咲き乱れていた。
 もうすぐ本格的な秋が訪れるのだろう。10月も目の前である。
 イネキビとかいう黍のは行った一袋をいただき、女将さんたちとお別れをした。

 バスの車中で事務局の先生から、弘前大学人文学部のボランティアセンターが10月から組織を変えると聞いた。10月からは弘前大学の学部全体のボランティアセンターとして再スタートするらしい。
 来年度もつき1回ペースで、野田村へのバスは往復する予定と聞いた。現地の人々が心理的にも立ち直れるような支援活動が期待され、続けられる必要を感じている。

 そば刈りを縁としまた来ん味見しに

 

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