音楽は語るなかれ

音楽に関する戯れ言です。

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スティッキー・フィンガーズ (ローリング・ストーンズ/1971年)

2013-09-08 | ロック (イギリス)


ストーンズの活動歴というのを振り返ってみると、このバンド、実は非常にその「区分け」をするのが難しい(別にそんなことをする必要はないかもしれないが、あったらあったで分かり易いので)。で、一般的に言われているのが、ギタリストが変ったときをその転換期にしているケースであるが、確かにこの考え方は私情が入らず、また、機械的で時系列でもあり、分かり易い。ただ、それはストーンズが1980年代くらいまでの話であって、まさか2013年の、今この時期まで現役を貫いているとなると、話は全く変わってくる。というか、ギタリスト以外は略、一定のメンバーで、ついに半世紀もポップ音楽界の頂点に君臨してきた訳だから、そう簡単にこの活動遍歴を機械的に分け、語ってしまう訳にはいかなくなってきたようだ。

そんな中で、筆者はどうしても譲れない時期というのが、実は、この時代、「ベガーズ・バンケット」「レット・イット・ブリード」、そして本作「スティッキー・フィンガーズ」を出した時代、1968~1972年である。アルバム的にも筆者はこの3作品を勝手に「ストーンズ3部作」と呼んでいるし、時代的に世相が混沌とした中で、ストーンズも最も揺らいだ時期である。なので、この3作品を切り離して語るわけにはどうかんがえても無理な様だ。特に、1969年は彼らに取って、6月にブライアンが正式に脱退し、翌7月には自宅にて水死体で発覚。直後のブライアン追悼コンサートには25万人のファンが集まった。12月にこのアルバムのレコーディングを開始し、同時に「レット・イット・ブリード」を発売、そしてその翌日にあの「オルタモントの悲劇」と呼ばれる事件が起こったのである。このストーンズ激動時代を締めくくり、新たな決意で望んだのが本作品であり、この作品の発表がなかったら、今現在も恐らくストーンズというバンドは存在しなかったと、偉大なミュージシャン、ブライアンと共に「60年代の伝説」として語られたに過ぎないであろう。自分たちの新しいレーベルからの最初の発売となり、"Brown Sugar"から始まるこの作品は、全10曲がどれも息に抜けない、一音一節でも聴き逃したりしたら、それこそ勿体無いという緊張感に満ちあふれた作品である。特に"Can't You Hear Me Knocking"のジャムセッション風な作り、"Sister Morphine"、"You Gotta Move"に見られる、前作で取り入れた南部路線をさらに発展させ、圧巻は多くのミュージシャンにカバーされた名曲"Wild Horses"であろう。確かに前2作の斬新さや先駆的な部分には及ばないし、だから筆者は前2作の方が好きだが、この作品ほど、ファンやミュージシャンに影響を与え、支持された作品は今までの彼らにはなかったであろう。そしてこの作品でストーンズは名実共に、ビートルズなきあとの、ロック音楽界の頂点に立ち、そして今でもまだその地位をどのミュージシャンにも譲ってはいないのである。そして、そんな事から、筆者はこの3年間を特別な時代だと考え、この前とこの後と彼らを3期に分けて考えるようにしているのである。

アルバムジャケット(LP盤)は、アンディー・ウォーホールが手がけたが、ジーンズのジッパーを開くとブリーフが印刷されたカードボードが出てくる。(因みに日本盤は「YKK」だったが・・・)このジャケットは論争を引き起こし、後にジッパー無しのジャケットがリリースされた。筆者はこのジャケットに憧れ、高校時代、これと同じジーンズが渋谷に売っていると聞いて探したが結局見つからなかった。実際にそういうメーカーがあったのか、レプリカなのか今でも定かではないが、お陰で当時はサスーンやシスレーというお洒落なジーンズに出会えた。これも全部、ストーンズ効果だったのだと思う。


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