音楽は語るなかれ

音楽に関する戯れ言です。

ライヴ・イン・ジャパン (ベック・ボガート & アピス 1973年)

2009-08-12 | ロック (イギリス)

私の高校時代はバンド活動に明け暮れていたが、プログレバンドばかりをやっていた訳ではなく、また、ひとつのバンドだけに入っていた訳でも無い。それにコンサートとか学園祭に併せてバンドを作ったり、その頃はコンセプト・バンドというのがひとつの(当校の)流行で、そんなこともやっていた。そのひとつに、「三大ギタリスト狂演」と題したコンサートを開催し、BB&Aコピーバンドを作った。当時当校の三大ギタリストをそれぞれ、クリーム、レッド・ツェッペリンとこのBB&Aの三バンド、プラス、超ジミへンフリークと、デュアン・オールマンフリークが居て、計5バンドが出場するという訳の分からないコンセプトコンサートを開いた。当校は女子高も別にあったし、最後は当時女子高のジャニス・ジョップリンも飛び入りして大変なことになった伝説のコンサート(勝手に・・・)になったし、他の女子高にも人気があったので観客はいつも一杯だった。私はそのBB&Aバンドのベース、所謂、ティム・ボガートになった訳である。しかし、このバンドのコピーは他のバンドの曲よりも圧倒的に難しく、しかもあのベースラインを弾きながらヴォーカルもこなすという離れ業なので、兎に角良く練習した。だから今でも、このアルパムに収録されている87分間はドラムソロまで入れて全部ソラで口ずさむことができる。自慢ではないが・・・。

このアルバムはディープ・パープルの「ライブ・イン・ジャパン」と並び(おっと、そういえばウチの軽音ってリッチーブラックモアフリークはいなかったなぁ・・・)、日本で収録されたロックミュージシャンのライブアルバムではまさに双璧を為す出来上がりである。当時演奏したのは、迷信、スウィート・スィート・サレンダー、アイム・ソー・プラウド、レディー、黒猫の叫びの5曲で、アンコールにジェフズ・ブギーを演奏した。この「ジェフズ・ブギー」に限って言えば、私も含めてギタリスト連中は、「天国の階段」ライブ版(「永遠の詩」)ジミーペイジのソロパートと並んで、誰が一番正確に再現できるか競ったものだったが、流石に、ジェフ・ベックをなのるだけあってウチのバンドのギタリストがこの曲に関してのテクは一番だった。また、このバンドはアルバム発売当時流行の「トーキング・モジュレーター」を使い放題で、リアルタイムでピーター・フランプトンの「カムズ・アライブ」が全米を席捲していた時代でもあり、軽音でも部費の予算で勝手に購入してしまった。そのためにこのコンサートではみんなふざけて、クリームや、ツェッペリンまでがアンコールではトーキング・モジュレーターを使いまくり、ご来賓のOB諸先輩には顰蹙をかった。おっと、また、音楽遍歴になってしまったが、特に、前述した5曲は難易度も高く演奏し甲斐のある曲だが、やはり、今でも改めて本物を聴くと、素晴らしいコンビネーションだなぁと感心してしまう。「三人寄れば文殊の知恵」というが、エマーソン、レイク&パーマーにしても、クリームにしても、あるいはポリスやクロスビー、スティルス&ナッシュ(つまり、ニール・ヤング抜き)3人バンドというのは名だたるバンドが多いに、クラシックでもジャズでも「トリオ」というのは、その編成自体に、ミュージシャンにとっても特別の思いがある。また、同時にジェフ・ベックに関して言うと、今後触れる機会があるかもしれないが、私は、「ブロウ・バイ・ブロウ」や「ワイアード」も良い(音楽的には前者がはるかに良い、後者はそこそこヒットしたので)が、ジェフベックのベストアルパムは、「トゥルース」とこのライブだと思っている(特に「トゥルース」に関して言えば、ロッド・ステュアート的にもベストアルバムだと思う)。特に「迷信」は、オリジナルのすティーヴィー・ワンダーも最高だが、このBB&Aは殆ど例がないが、スティーヴィーの曲をカバーした中では唯一といってくらいオリジナルを越えた出来だと言って良い(スタジオ版はイマイチ)。

アナログでいうところのC面の4曲が圧巻だ。本当はコンサートでも「リヴィン・アローン」も演奏してC面は完璧に再現したいと思ったのだが、どうしてもギタリストが「黒猫の叫び」でトーキングモジュレーターを駆使したい(遊びたいだけ)というので譲った。そう、本物のジェフ・ベックもからきし歌は駄目だったからこのエフェクターを使ったのであるが、今では、このトーキング・モジュレーターを聴ける貴重な記録となった。また、アナログ盤はジェフ・ベックの意向ですぐに発売中止になりCDの再発まで待たなければならない貴重なレコード盤であるが、私はしっかり持っていて、でも、殆ど擦り切れるほどに何度も聴いた。もしかしたら一番、耳コピをしたレコードかもしれない。CDもポータブルにイヤホンで聴いている分には悪くないが、コンポだとデジタルって、音の起伏が少ないのが残念である。


こちらから試聴できます


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。