すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

浄土

2022-12-30 20:35:07 | 山歩き

 

(明神が岳からの富士。手前の黒いのは金時山。怪童金時を抱く母なる富士、と言いたいところだが、白髪を振り乱した山姥のようにも見える。)

五十年も経つ間には
山はどんどん成長する
尾根は高く沢は深く
見上げる空は遠い

記憶の中ではここらは
陽当りの良い草原だったはずだが
雨にえぐられた赤土の溝ばかりが続く

今は凍っているからいいが
帰りは霜がとけてドロドロだろう
こんな所を降りたくはないものだ

それにしてもこの道は
こんなに長かったっけ?
どこかで間違えたんじゃないか?

・・やっと山頂にたどり着いてみれば
ここは小さなコブに過ぎない
谷を挟んでさらに高い山並

ぼくはもういちど
あそこまで行けるだろうか?

そのまたむこう遥か西に
白く輝くあの峰々は
南アルプスだろうか

ひょっとしたらあれは
西方浄土よりも遠いのではないか?

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