すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

簡易テント

2019-03-28 13:17:50 | 山歩き
 昨日、一年ぶりに会った仲間のうちの一人に、「樋口さんて、昔は、『ぼく、冷え性がひどくて』って、いっぱい厚着をして、それでも寒そうにしていたと思うんだけど、それでも雪山になんか行くの?」と訊かれた。
 そう、以前に保土谷の林の中の一軒家に住んでいたころ、その仲間たちとその家で何度か宴会をしたものだが、あの頃ぼくは今よりももっと弱かったかもしれない。北斜面の、陽当たりの悪い、湿気の多い寒い家で、あの頃はぼくは毎月のように風邪を引いていて、医者が首をかしげながら、「抗生物質は毎月は飲まない方がいいんですがねえ」と言っていたっけ。
 今のところに越してきてからは、風邪をあまり引かなくなった。ここ2年ぐらいは、まったく引いていない。
 冷え性が治ったわけではない。この季節でも、ぼくはベッドに寝袋を敷いて、その上から厚い羽毛布団をかけて、おまけに寝袋の中に行火を入れて寝ている(最近の寝袋はジッパーがついているので行火が入れられてうれしい)。この季節は、花冷えというのか、手足の先が冷えて、(暖房や厚着で対策している)真冬よりもかえって辛いことがけっこうある。先週あたりはそうだった。
 雪のある山には、血圧が上がるということもあるし、本当は行かない方がいいかもしれない。でも一年に何回かは、白銀に輝く中を一歩一歩たどる嬉しさも味わいたいものだ。
 雲取山ぐらい道がしっかりしている山に天気の良い時にしかも小屋泊まりで行くのなら比較的安心ではあるのだが、途中で体調が悪くなって、日暮れまでに小屋に着けないとか、巻き道を行ったら途中で足跡が無くなってしまった、とかいうことが全くないとは言えない。
 やむなくビヴァークする事態になった時のために、ヘッドランプやコンロやたっぷりの防寒衣類(ぼくのザックはこのために重い)のほかに、靴下の中にいれる唐辛子と、背や腹に貼るカイロはいくつも持ち歩いている。
 でも本当は、ツエルト(簡易テント)を買って携行した方が良いのだろうと思う。設営しなくても、いざという時には体に巻き付けて夜を過ごすことができる。先日ぼくと相部屋だった男は、持ってきていた。
 今年は雪山はもう一回程度だろうから、それは何とかしのぐとして、来年かなあ。 
 ところでぼくはあと何回、ツエルトを携行するような山に登れるのだろうか?
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