すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

美しい秋の一日

2018-11-16 21:08:20 | 山歩き
 昨日、中央線の猿橋駅から御前山、九鬼山を経て富士急行線の田野倉駅に降りるハイキングコースを歩いてきた。
 電車の中では平日にもかかわらず結構登山客がいたのに、猿橋駅南口に降りたらぼく一人だった。みんな扇山か百蔵山か岩殿山あたりの、山の南面を登る陽だまりハイクに行ったのだろう。
 おかげでこちらは、ほとんど人に会わない静かな山旅だった。なだらかな傾斜の山だからだろうか、北面を登るのに、あまり日陰になることのない、おだやかな秋の太陽が前方から照らしていた。行く手を導いてくれるかのように。
 歩いている間じゅう真っ青に晴れ上がった暖かな日で、御前山の大岩壁の上で、富士山や三つ峠山や雁が腹摺り山や滝子山の展望に感嘆しながらおにぎりをたべた。
 さすがに秋の花は終わっている。今年の紅葉は、どこも例年に比べて今ひとつ美しくないらしい。でも、落ち葉をサクサク踏みながら歩くのは楽しい。
 10月初めから6回目の山登りで、体がやっと慣れてきたからか、気持ちの良い歩きやすい天候のせいか、足が比較的軽い。途中ちょっとわかりにくい所とか、札金峠あたりの暗い植林地とかあったが、九鬼山に近づくと再び歩きやすい良い道になる。
 9:18に猿橋駅を出て九鬼山山頂についたのは13:50。秋の山は沢沿いが暗くなるのが早いので少しペースを上げて田野倉に下山した。
 登りは太陽がみちびくように前方にあり、下山は西に下ったのでやはり太陽は前方に、しかし、くたびれた体を温めてくれるようにあった。
 そこで、歩きながらふと思った。ぼくたち老人は、晴れた秋の日の午後の太陽のようなものだと考えることにしよう。もう燃えさかるエネルギーはなくても、人を温めることならできるかもしれない。ほんわりと柔らかな温かな気分にさせることならできるかもしれない。
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