微かに続いていた踏み跡らしきものは
ここの小ピークで途切れた
この先は三方とも
転げ落ちそうな急斜面だ
谷に下り着いても進めるかどうかわからない
戻るべきだ
だが
すでにずいぶん来てしまっている
うまく戻れるだろうか?
太陽を見上げ
腕時計の短針を合わせる
これで方角だけは分かるが
まったく馬鹿なことに
今日は油断して地形図も磁石も持っていない
日が暮れるまでには
登山道には戻れるだろう
麓には夜道になるな
人の歩いていなさそうな脇道をみつけると
つい踏み込んでみたくなる
冒険心と自尊心を
満たした気になる
ド素人の悪い癖だ
考えてみればこんなことを
オレは何度もしている
こんなことが楽しくもあるのだから
ふだんよほど
アドレナリンが出ていないのだな
さあ
反省しながら急いで歩け
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