夏の緑の葉
ポール・ウエブスター:詞
ディミトリ・ティオムキン:曲
穫り入れしているべき時
種蒔きしているべき時
夏の緑の葉が
故郷へとぼくを呼んでいる
若いってことは素晴らしかった
稔りの季節に
ナマズが空と同じくらい
高く跳ねている時に
木を植えるべき時
鋤で耕すべき時
君が心に決めた娘に
求婚しているべき時
若いってことは素晴らしかった
大地と共に生き
子供が生まれる時に
妻の傍らで見守ることは
穫り入れしているべき時
種蒔きしているべき時
今こそ生きるべき時
やがて骨を埋める土地で
若いってことは素晴らしかった
大地と共に生きることは
夏の緑の葉が
今 故郷へとぼくを呼んでいる
若いってことは素晴らしかった
大地と共に生きることは
夏の緑の葉が
今 故郷へとぼくを呼んでいる
ぼくの年代の方はブラザーズ・フォーの大ヒットを覚えているでしょうが、1960年の西部劇「アラモ」のメイン・テーマ曲です。日本語タイトルは「遥かなるアラモ」でした。映画は、メキシコからの独立を目指すテキサス軍が圧倒的大軍を前にアラモの砦に立てこもって全滅する話でした。でも今は映画の政治性には触れないでおきます。
作曲者のティオムキンはウクライナのクレメンチュークの生まれ。ドニエプル川沿いの、キーウとマリウポリを真っ直ぐに結ぶ線のややキーウ寄りです(すぐ北西にクレメンチューク湖という大きな湖があります)。たぶん、穀倉地帯の真ん中の美しい土地なのだと思います。
この旋律はウクライナ民謡がもとになっているという話を聞いたことがあります。でもぼくには確認はできません。どなたかご存じだったら教えてください。
作詞のウエブスターはアメリカ人で、この歌詞が直接ウクライナ歌ったものとは思えませんが、曲作りについてティオムキンと話し合っているうちに、彼の地の農民の生活を思い浮かべていた可能性はあります。アラモとは関係がない、故郷を離れた(故郷を追われた)人々が、大地と共に生きていた生活への郷愁、その土地に戻りたいという願い、を歌った歌です。
(自分で訳しては見ましたが、英語はよくわからないので、樋口悟訳、とはしませんでした。)