すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

こわごわハイキング

2021-04-21 12:44:36 | 山歩き

 ドクターに、「山登りして構いませんよ。転んでも患部さえ強打しなければ大丈夫です」と言われているので、昨日は高尾山に行ってきた。いい天気で、新緑の美しい、ハイキングに最適の季節だ(もうすぐまた緊急事態宣言が出そうだが)。
 まだ歩くと疲れるので、行きも帰りもリフトに乗ることにした。
 ケーブルカーと違ってリフトに乗るには、まず急な石段を上がらなければならない。手摺りにつかまりながらのったり登っていたら、後ろからやはりのったり登ってきた同年配らしい人に、「リフトに乗るだけでも大変ですよね」と声をかけられた。「病み上がりなもので」と笑ったら、「ぼくもそうなんです」と言う。
 意気投合してしばらく一緒に歩いた。向こうはぼくよりもはるかに大変で、前立腺ガンが見つかって、手術はできないといわれて、ホルモン療法を受けていたのだが、奇跡的にガンが消えて、体力を確かめに高尾山に来たのだという。
 そう、高尾山は自分の現在の体力を知るのに良いのだよね。
 「いやあ、でも、体力ってあっという間に落ちますよね」「頑張って来なければね」などと話しながら歩いて、分岐で彼はそのまま舗装道路を登るというので、ぼくはそれは嫌だから4号路を行きます、と別れた。    
 4号路はシャガが群生し、スミレが群生し、何よりも新緑がさわやかで気持ちが良い。ただし、いつもならなんでもない登りがキツい。途中で目が回ったので休んで、ストックを出してゆっくり上った。コースタイムに45分とある道に1時間10分かかった。山頂について広場をさがしたらさっきの男性がアイスをかじっていたので座ってさらに話をした。勤めを再開していま週に5日働いている、じつは先週もここに来たという。すごい人だなあ、と感心した。オラも頑張らねばな。
 下りは3号路を取った。単調で飽きる、と言う人もいるが、人が少なくて静かに歩ける道だ。「思索の道」と名付けても良いくらいだ。でも何も考えずに、足元を見ながら歩く。
 体が慣れてきたためか下りは体調が良く、このまま病院坂を下れるかな、とも思ったが、行きにリフトの往復券を買ってあったので楽ちんをした。
 ハイキングとは言えないくらいのイージーな歩きだったが、退院10日目だからまあこれで良い。暑くなったらもっと高いところに行かねばならないから、今のうちに低山にどんどん通うことにしよう。
 思索、のかわりに、ふと、「ぼくらはみんな生きている」なんて歌が口から出た。

コメント
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