すべての頂の上に安らぎあり

今日はぼくに残された人生の最初の一日。ぼくは、そしてぼくたちは、この困難と混乱の社会の中で、残りの人生をどう生きるか?

病室

2021-04-12 17:21:13 | 近況報告

 一昨日、無事退院いたしました。たいへん順調、とのことです。ドクターに、「普段鍛えている人は回復も早いですね」と言われました。鍛えているどころか、時々山登りに行くだけで、普段ぐうたらしているのですが、ぼくの場合、大病をしたというわけではなく、予防的な手術なので、回復も早いのだろうと思います。
 それでも、きのうは近所の公園に行って5000歩ほど歩いたら、目が回るほど草臥れました。まあ、ぼちぼち体調アップです。

    病 室

花が散る
ガラス窓のさざ波の向こうを
一枚の花片が
屈折した幾つもの光の反映となって
明るい午後を落ちて行く

花が散る
見えない空のどこかから
ステンドグラスの聖者伝の向こうを
一枚の花片が
次々に幾つもの色に染まりながら
舞い上がり 翻り 落ちて行く

花が散る
数知れぬ花片の数知れぬ光の反映と
色の移ろい
揺らめきながら通っていく人も
歪んだ屋根も壁もしだいに
降りしきる花片のうしろに消えてゆく

屋根も壁も人も 空も
外の世界全体が
ひび割れ崩れ 数知れぬ花片となって
降り始める

降りしきる海雪(マリンスノウ)の中を
窓は冷え冷えと
音のない深海へ沈んでゆく

コメント
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