昨日、ふと思いついて、弁当とお茶と双眼鏡とカメラとポケット図鑑だけの軽装備で高尾山に行ってみた。靴も登山靴ではなく、ウオーキング・シューズで行った。前夜に久しぶりにデュモンに行って最近のぼくとしては夜更かしをしたので、軽装にしたのだ。コースも、城山まで行かずに高尾山だけ行くことにした。
高尾山口の駅についたら、あとからあとから小学生が改札を出て来る。山へ向かう道も、ケーブルカー前の広場も小学生で一杯だ。八王子の小学校の合同一斉登山会だろうか。何年か前にも一度遭遇したことがある。低学年はケーブルで、中学年は6号路を、高学年は稲荷山コースを登るようで、どこもいっぱいだ。
一緒になってしまったらとても自分のペースでは歩けないから、ぼくは高尾病院の裏から急登するコース(「病院坂」と勝手に呼んでいる)を上がり、4号路経由で山頂に向かった。北面に当たる4号路は落葉広葉樹林で、いま新緑が美しい。荷物は軽いし足も軽いのに、夜更かしのせいか体は重い。
平行する尾根からも谷からも大騒ぎが聞こえる。それはそれで、なかなか楽しいものだ。苦笑いしながら登る。イロハの森分岐では、何と右手から登ってくる幼稚園児の集団に出会った。先生たちに励まされて、中には手を引いてもらう子も「休みたいよー」と訴える子もいて、それでも4号路と交差して山頂に向かう道を登って行った。
山頂についたら、広い展望広場が、お昼を食べる子どもたちで完全に埋まっている。ぼくは久しぶりにビジター・センターに入り、展示を見た。若い係員が明るくはきはき応対してくれて感じが良い。毎日13:30から自然観察会をしているとのこと。今日は落ち着かないから、こんどぜひ参加してみよう。
むかし年若い知人がここの解説員をしていて、毎日登って通勤していると言っていたが、とっくに山は下りて都心の勤務になっているだろうが、彼ももう定年退職しただろうか。
雑踏の中でお昼にするのは嫌なので、稲荷山コースの急な階段をくだり、(ここもあとからあとから走って登ってくる体の大きな小学生が続く。子供で体力があるって、いいなあ。あの頃のぼくは運動しないで本を読む子供だった)、3号路に入ったところのベンチで上の方の喧騒を聞きながらゆっくりお昼にした。
3号路は最初だけ急に下って、あとはほぼ水平な道だ。そこを走ってみた。日ごろ山でトレイル・ランニングをする若い人たちに出会って、「なんで山に来て走るのか、ゆっくり楽しめばいいのにもったいない」と思いつつも、いちど走ってもみたかったのだ。
いや、年寄りのすることじゃない。すぐに息が上がり、歩いているのと変わらないペース、いや、早足よりもむしろ遅いペースになってしまう。でも、これはこれで気持ちが良い。今度、トレラン・シューズを買ってみよう か。あれはスニーカーやジョギ・シューとどこが違うのだろう。
走ることを主にするのでなく(もちろんそんなことはできっこない)、ところどころ走ればよい。何か、体の中から湧いてくるものがあるかもしれない。
1号路に合流し、今日は小学生騒ぎでゆっくり自然を見ることもなかったから、野草園に入った。サル園に併設されているものだが、ぼくはサルの方は行かずに野草園に行く。高尾山は今、スミレの花の盛りだ。ハート形の葉をしたタチツボスミレがほとんどだが、葉の細いエイザンスミレや花の白いタカオスミレも少しある。
ここの野草園はサル園のおまけだからか、やや荒れた感じがする。もう少し手入れをして、案内板も増やしてほしいな、と思うのだが、静かでそれなりに美しい。大群のイカリソウがあった。ふつうは紫色だが、ここでは白い花の方がずっと多い。黄色いカタクリがあった。シラネアオイがあった。これらは自生のものではなく、植えられたものだろう。
あとは、キランソウ、ヤマブキソウ、ヤマルリソウ、ニリンソウ、ミミガタテンナンショウ、ムラサキケマンなど。
十一丁目茶屋まで行ったら、小学生の集団に先生が、「ロープウエイで降りる予定でしたが、大混雑で長い時間待たなければならないので、登ってきた道を下ります」と言って、子供たちから「えー、ウソだあ」「いやだあ」と悲鳴が上がっていた。「うん、先生、それはないよね。子供は納得できないよね。計画段階で予測できたでしょ」と思った。
ぼくは、来た時と同じ病院坂を下って帰った。
今日は大喧噪の山登りだったが、小学生が、この一年でいちばん良い時期のうちに集団登山するのは大賛成だ。苦しい上り下りも含めた、素晴らしい一日をきっといつまでも覚えているに違いない。その中から、繰り返し高尾山に登る地元の大人もたくさん育つことを期待しよう。
そしてぼくは、トレラン・シューズを近いうちに買いに行こう。一年でいちばん良い季節だもの、年寄りも満喫しなくちゃ(年寄りの冷や水?)。
高尾山口の駅についたら、あとからあとから小学生が改札を出て来る。山へ向かう道も、ケーブルカー前の広場も小学生で一杯だ。八王子の小学校の合同一斉登山会だろうか。何年か前にも一度遭遇したことがある。低学年はケーブルで、中学年は6号路を、高学年は稲荷山コースを登るようで、どこもいっぱいだ。
一緒になってしまったらとても自分のペースでは歩けないから、ぼくは高尾病院の裏から急登するコース(「病院坂」と勝手に呼んでいる)を上がり、4号路経由で山頂に向かった。北面に当たる4号路は落葉広葉樹林で、いま新緑が美しい。荷物は軽いし足も軽いのに、夜更かしのせいか体は重い。
平行する尾根からも谷からも大騒ぎが聞こえる。それはそれで、なかなか楽しいものだ。苦笑いしながら登る。イロハの森分岐では、何と右手から登ってくる幼稚園児の集団に出会った。先生たちに励まされて、中には手を引いてもらう子も「休みたいよー」と訴える子もいて、それでも4号路と交差して山頂に向かう道を登って行った。
山頂についたら、広い展望広場が、お昼を食べる子どもたちで完全に埋まっている。ぼくは久しぶりにビジター・センターに入り、展示を見た。若い係員が明るくはきはき応対してくれて感じが良い。毎日13:30から自然観察会をしているとのこと。今日は落ち着かないから、こんどぜひ参加してみよう。
むかし年若い知人がここの解説員をしていて、毎日登って通勤していると言っていたが、とっくに山は下りて都心の勤務になっているだろうが、彼ももう定年退職しただろうか。
雑踏の中でお昼にするのは嫌なので、稲荷山コースの急な階段をくだり、(ここもあとからあとから走って登ってくる体の大きな小学生が続く。子供で体力があるって、いいなあ。あの頃のぼくは運動しないで本を読む子供だった)、3号路に入ったところのベンチで上の方の喧騒を聞きながらゆっくりお昼にした。
3号路は最初だけ急に下って、あとはほぼ水平な道だ。そこを走ってみた。日ごろ山でトレイル・ランニングをする若い人たちに出会って、「なんで山に来て走るのか、ゆっくり楽しめばいいのにもったいない」と思いつつも、いちど走ってもみたかったのだ。
いや、年寄りのすることじゃない。すぐに息が上がり、歩いているのと変わらないペース、いや、早足よりもむしろ遅いペースになってしまう。でも、これはこれで気持ちが良い。今度、トレラン・シューズを買ってみよう か。あれはスニーカーやジョギ・シューとどこが違うのだろう。
走ることを主にするのでなく(もちろんそんなことはできっこない)、ところどころ走ればよい。何か、体の中から湧いてくるものがあるかもしれない。
1号路に合流し、今日は小学生騒ぎでゆっくり自然を見ることもなかったから、野草園に入った。サル園に併設されているものだが、ぼくはサルの方は行かずに野草園に行く。高尾山は今、スミレの花の盛りだ。ハート形の葉をしたタチツボスミレがほとんどだが、葉の細いエイザンスミレや花の白いタカオスミレも少しある。
ここの野草園はサル園のおまけだからか、やや荒れた感じがする。もう少し手入れをして、案内板も増やしてほしいな、と思うのだが、静かでそれなりに美しい。大群のイカリソウがあった。ふつうは紫色だが、ここでは白い花の方がずっと多い。黄色いカタクリがあった。シラネアオイがあった。これらは自生のものではなく、植えられたものだろう。
あとは、キランソウ、ヤマブキソウ、ヤマルリソウ、ニリンソウ、ミミガタテンナンショウ、ムラサキケマンなど。
十一丁目茶屋まで行ったら、小学生の集団に先生が、「ロープウエイで降りる予定でしたが、大混雑で長い時間待たなければならないので、登ってきた道を下ります」と言って、子供たちから「えー、ウソだあ」「いやだあ」と悲鳴が上がっていた。「うん、先生、それはないよね。子供は納得できないよね。計画段階で予測できたでしょ」と思った。
ぼくは、来た時と同じ病院坂を下って帰った。
今日は大喧噪の山登りだったが、小学生が、この一年でいちばん良い時期のうちに集団登山するのは大賛成だ。苦しい上り下りも含めた、素晴らしい一日をきっといつまでも覚えているに違いない。その中から、繰り返し高尾山に登る地元の大人もたくさん育つことを期待しよう。
そしてぼくは、トレラン・シューズを近いうちに買いに行こう。一年でいちばん良い季節だもの、年寄りも満喫しなくちゃ(年寄りの冷や水?)。