東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

あけましておめでとうございます

2018年01月09日 | 日記

あけましておめでとうございます。組合員のみなさんに支えられ、東京教組もおかげさまで新たな年を迎えることが出来ました。ありがとうございます。

 

 安倍政権の長期化により、その新自由主義的な経済運営の下で、日本の社会に貧困と格差が大きく広がっています。子どもたちの貧困率はOECDによって警告されるまでに高まり、今や6人に1人の子どもが貧困に苦しんでいます。また、「戦後レジュームからの脱却」をめざすその政治路線は、平和と人権を脅かし、立憲主義の危機を招き、憲法の改悪さえも現実味を帯びてきました。未だに収拾の目処が立たない東京電力福島第一原子力発電所大事故と(にもかかわらず)再稼働する原発、暴力的にすすめられる沖縄の辺野古新基地建設の実態は、日本の民主主義の脆弱性を如実に表しています。

 しかし、安倍首相の「自己都合解散」による総選挙は、残念ながら自民党の圧勝で終わり、与党(自民党、公明党)が三分の二を超える議席を獲得しました。審議が進めば進むほど疑惑の深まる森友・加計問題は、いよいよ幕引きが図られようとしています。

 

 学校では、多忙化に有効な歯止めがかけられないまま、四月からは新学習指導要領の下で、小学校「英語」が始まり、ますます多忙化に拍車がかかる状況です。東京都教育委員会が公表した「職場実態調査」の結果では、中学校の約七割の教員が過労死ラインを超えた超過勤務の実態にあることが明らかになりました。さらに、「特別の教科 道徳」が始まり、国家の価値観を子どもたちに一方的に押しつける教育が推し進められることが危ぶまれます。

 

 なかなか新年らしい明るい話題がない中で、以前観た映画『世界の果ての通学路』をふと思い出しました。

 

『世界の果ての通学路』は、道なき道を何時間もかけて通学する子どもたちを追った、驚きと感動のドキュメンタリー映画です。野生のキリンや象が生息す

バンナを駈け抜けるケニアのジャクソン。山羊飼いの仕事を終えてから、愛馬で学校へ向かうアルゼンチンのカルロス。女子に教育は不要とする古い慣習が残る村から、寄宿学校に通うモロッコのザヒラ。生まれつき足が不自由で、弟たちに車椅子を押されて登校するインドのサミュエル。通学路は危険だらけで、大人の足でも過酷な道のりですが、それでも子どもたちは学校へ向かいます。

 

東京で暮らす私たちからすれば、正に「毎日が大冒険!?」の通学路、その想像を超える危険な通学路を学校を目指して通う子ども達は、しかし、喜びに溢れています。彼らの世界では学校へ行けず働いている子どもも多いのです。学校で学び、なりたい職業に就ける可能性がある未来が彼ら、彼女らにはあるからです。

私たちは、登場する4人の子どもを通して、女子教育の問題や貧困、そして児童労働など多くの問題を考えさせられます。また、スクリーンからは、お仕着せの感動ではなく、先生や親たちを含むそこで暮らす人々の生きる姿勢が鮮烈に私たちに迫ってきます。そして、何よりも、「夢をかなえたいから」と瞳を輝かせる子どもたちの笑顔に「学校とは何か」という問いかけを自分にすることになります。

 

 東京の子どもたちが喜びと希望に溢れ、笑顔で学校に通えるように、そして、子どもたちが目を輝かせて「夢」を語れる学校、教職員が子どもたちとともに未来を語れる学校を私たちも取り戻さなければなりません。

 

 今年も組合員の皆さんとともに、執行部・書記一同全力で頑張る決意を申し上げ、結びに組合員の皆さんとご家族のご健勝を心より祈念し、新年のご挨拶と致します。本年もどうぞよろしくお願いいたします。


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