東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

光のうつしえ

2014年01月31日 | インポート

Kif_0631うつしえに 戦死せし子と 並びたる 
少女よいずくに 母となりいる
朝日新聞の歌壇にたびたび選ばれた小山ひとみさんの短歌だ。

 この歌を軸に被ばく25年後の廣島の中学生を描いた「光のうつしえ-廣島 ヒロシマ 広島-」(朽木祥著、講談社)は、刊行されたばかりの原爆文学だ。杇木さんは、児童文学で活躍されてきた作家だが、被曝2世でもある。
 若い世代が被ばくを語り継ぎ表現していくストーリーに、表現が抑圧され戦争へと突き進む状況への警告が描かれていて、フクイチ後の文学としても読みごたえのある本だった。
 被ばくした無辜の民、一人ひとり記憶(歴史)から発する表現を抜きに戦争を止めることはできない。
「半ズボン 汚し帰りし 幼な子を 叱りいたりき 戦死せしかな」
「しんしん と雪降る夜なり 戦地より 子の魂ひとり 寝る窓をたたく」
「はてしなく 青澄める空 戦死せし子 と吾を結ぶ 永久の色かも」
 などの戦死した子どもを思う小山ひとみさんの歌も本文に出てくるが、そこからどんな物語がつむぎだされるか、是非一読してほしい。
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 正田篠枝さんの「太き骨は先生ならむそのそばに小さきあたまの骨集まれり」は、平和公園の彫像にも刻まれている有名な歌だが、その歌についての物語もある。
 戦争は、その役に立たない美術や音楽から無くしていく。表現が押しつぶされるのだ。

 東京教組の「ヒロシマ子ども派遣団」(3月27~29日)も30周年を迎え、その募集の締切が迫っている。ぜひ多くの子どもたちに参加してほしい。http://tokyokyouso.org/flex/archives/287


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