東京教組(東京都公立学校教職員組合)

教職員のセーフティーネット“東京教組”

世界は笑いあなたは泣く

2014年10月20日 | インポート

Img_0436  「あなたがこの世に生まれたとき、世界は笑いあなたは泣く。あなたがこの世を去るとき、世界は泣きあなたは笑う」は、インドらしい含蓄のある諺である。
 この諺を知ったのは、COTTON100%(杉山明AKIRA、現代書林)という本だが、なかなか痛快な世界漫遊記だった。
 その中に、アメリカ先住民ホピ族の若者との次のような会話がある。

「君は今、高校生くらい?」
 乾いた風が種を運ぶ。
「うん、来年の春卒業したら、アーミーにはいります」
 若い潅木はハイウェイのよこに芽を出す。
「アメリカのために戦うのかい?」
 排気ガスと砂ぼこりを吸ってのびていく。
「そりゃ、ぽくだってホピの伝統を踏みにじった白人が憎いです。でも、飼育係と仲良くしなきや、エサだってもらえないから」
 車が通り過ぎるたび、潅木はひっこぬかれそうになびく。
 「その檻だって、そろそろガタがきているぜ」
 太陽に祝福されて、踊りはじめる。
 「わかってますよ。アーミー終えたら大学へ行って、檻の鍵を盗んできますよ」

 アメリカに徴兵制はないが、高校生対象に大学進学を条件に志願兵を募集し、貧困層の若者の多くが軍に志願する。しかし、貧困という檻の鍵を手に入れるどころか戦争で命を落としたり、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ若者も多い。アメリカの戦争に日本も参加する(集団的自衛)ことになれば、日本の若者も同様の苦境に陥る。教え子を戦場に送る教職員の苦悩は、すでに現実になっている。
   (ネギボウズ)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿