泥水池の草藪を歩いていたら足元に飛び出したニホンアカガエルは綺麗な体色と豊満な体型をした個体だった。前日、すぐ近くでヤマカガシを手に取ったばかりなので恐らく両者の遭遇機会もあるやもしれん。
草むらを歩けばヌマガエルやツチガエルのようにピョンピョンと飛び出すほどの個体は見えないけれど平壌や寧辺のようにビョーンビョーンと打ち出すのは無いので平和なもんである。
少年の頃、自宅の裏の田んぼで捕まえたアカガエルを空き缶で茹で近所の悪童と腿だけ食べた事があったが、空腹だったのか興味本位だったのか今では思い出せない遠い時空の事になってしまった。まあ、カエルを食べたいというより火遊びの一環だったのだろう。この事ではないだろうけれ近所の怖いお婆様が座敷でお茶飲みながら「火遊びは困る」と言う話をしていたのは記憶にあるから珍しくも無かったのだろうが、子ども心にも火遊びは集落の近くでは行ってはいけないと刈り取りの終わった田んぼの中でやっていた記憶はまだある。
火遊びではないものの「ペンペングサ」や「彼岸花」を「家に持ち込んではいけない」とジジババ様から言われていたが、その理由は「火事になるから」だった。今になって思うとヒガンバナはケの花の類で理解できるのだがペンペングサはよう分からん。結果として「ペンペングサしか生えない場所」凋落の連想なのかどうか。
今時の子ども時代は「豊か」になったに相違ないけれど内実は「貧困化」しているのも事実だろう。まあ、「カエルが鳴くから帰ろー!」なんてのは通じないし影も見えん住宅街。