『霜降りる孤高と葉裏オニヤンマ』
『殻蝉の止まりたる背に初の霜』
『モミタケの消えたる森に人も無く』
『高すぎて捕らえぬブドウ恨めしき』
アカモミタケが消えてしまった
温暖化のせいか 酸性雨の為かは知らない
言えることは キノコの一種類がなくなっても 森の魅力は半減する
山葡萄もサルナシも随分と減った
たまに在っても竿も届かぬ高いところだ
岩木山麓の八百屋では籠盛りで売っていたが
里では滋養強壮に使った
『ビニールの下で冬越すシロマダラ斑の紐か海蛇かとも』
『早く来いシロマダラ見たあの冬日』
杉の根元に放置された農業用ビニール
昨年の冬 片付けようと捲ったら 見慣れない模様が見えた
青と白の斑の小蛇が三匹 蛇とは思えなかった
カメラの持ち合わせが無かったが ネットで調べたらシロマダラらしい
幻の蛇とも 結局このことが翌日以降 再び捲るのを断念させた
この冬は一回だけお邪魔して 写真を撮りたいから
ビニールはそのままだが 片付けられないかとヒヤヒヤしている
『どの山も食頭なれば食堂の栄養士呼び計算頼む』
『夜行から背あぶり受けてバテた友空身の汝を我後ろ追う』
『しんがりで山酔い乙女連れたれば総毛立つ雲気が気ではなし』
『アツアツと合羽脱ごうと山酔いの部員押し止む小屋まだ遥か』
『デートする羽目になるとは露知らず美味しき餌で歩かせたもう』
『初めてに背負いてみれば身の温しぬかるみ続くトイレへの道』
『トランプの歓声聞きし我ひとりテントに残り天井を見ゆ』
『這い松にまたがり連れとお花摘み歌の東女も笑いて去りぬ』
『雷も喧嘩も在りし縦走路下りた友の満ち足りた顔』
『デッキから去り行く鉄路眺むれば歌声いつかすすり泣きなり』