仰ぎ見る満天の星息を飲む眼下の町は津波と火災
情湧かぬ寒さも知らず飢えも無きまなこは開き立ち尽くす夜
歯も合わぬ焚き火すら無き高台で臨むわが町津波の火渦
後ろ髪掴んで波は引き離す絞る間も無き焼印の時
仰ぎ見る満天の星息を飲む眼下の町は津波と火災
情湧かぬ寒さも知らず飢えも無きまなこは開き立ち尽くす夜
歯も合わぬ焚き火すら無き高台で臨むわが町津波の火渦
後ろ髪掴んで波は引き離す絞る間も無き焼印の時
うつし世で三途の早瀬出会うとは今際の今際引きくゆく波は
引かれゆく窓の上辺に顔を見る目と目で語る今生の終
引かれ消ゆあまたの影を認むとも藁すら持たぬ南無阿弥陀仏
波の間に人を見送る声放ち別れと知れど励まし送る
この農地セシウムいかん農夫言う今は在りとて子孫は無しに
セシウムの高き土壌と言われても田畑なれば捨て作りする
建前の解除いかほど役に立つ除染手付かずインフラも無し
縦横に猪道走る薮田なり猪は餌とる施死有無の土地
島の国逃げる場所などあらざりき丸き地球も逃げれば戻る
竜宮にたどりついたる旅人は戻る道なし乙姫の席
海の宮里にあらずも安らかに幾多の人よ南無阿弥陀仏
深き海かいなに抱きしあまた身をわたつみあやす右に左に
音のみ泣くあかずに泣きて止みもせぬ段波段波の津波のごとく
岩まくら深海の岩根とどまるも身は慣れぬまま水の冷たさ
手枕の野辺の草葉の霜枯れに身はならはしの風のさむけさ 兼好
汝や知る浜の野辺吹く夕風の止まるをみても落ちる涙を
汝や知る都は野辺の夕ひばりあがるを見ても落ちる涙は 応仁記
人住まぬ破風の崩れ家板ひさし荒れにし今は潮騒の打つ
人住まぬ不破の関屋の板廂荒れにしのちはただ秋の風 藤原良径
放射能あまねく広くまた強く暮らしに祟る自除努力のみ
県外に避難した身は生業も暮らしも全て自助努力なり
責任の始末は軽く儲けなら二乗努力は惜しむ事なし
国難と言って酒盛る泥茶碗自浄不可能我田引水
糞土で塗って 朽ち木を彫って
結果打つ手は おでこだけ ハア コリャコリャ 減知力暗然いいんかい?
衆人環視で バサバサ斬って
衆院黙止で 元の鞘 ハア コリャコリャ オレオレ詐欺
ぶらさがり泥鰌だもんで潜るのみ なりすま氏
加害者の字意識あれど自覚なし 東自社
名前と住所金額書いて後は黒塗り前例倣え 無辜の民
劇団で台詞学んでまたやれば次はばれない仕込みとやらせ 官民狂道
黒幕の性根を見たり枯れ尾花語るに落ちる触れずに語る 民意
海を背にけぶる瓦礫のうつつなき浜辺にめぐる風車かな
妹が背にねぶる童のうつつなき手にさへめぐる風車かな 草径集
大船渡かえらぬ水に影見せて来年も咲けよ山々ざくら
大堰川かへらぬ水に影見えてことしも咲ける山さくらかな 桂園一枝
澄んだ川助け呼ぶ声今もなお内耳に深し秋の夕浪
すみだ川舟よぶ声もうづもれて浮霧ふかし秋の夕浪 泊洦舎集
浪に落ち浪と消えにしあまた身に津波のことは夢の正夢
霧と落ち露と消えにしわが身かななにはのことも夢のまた夢 賀茂翁家集
汚染-洗浄-浄化-課題-代議士
原発-発覚-覚醒-正義-疑義
黒塗り-料簡-権謀-謀議-欺瞞
発電-伝統-当局-極限-原発
廃棄物-物議-疑問-問答-恫喝
捨てられる米と知りつつ苗植えて八十八の手間かけて秋
廃棄米稲穂を拾い束に挿す農夫触れ行くハザ掛けの稲
農地ゆえ作付けなくて荒れゆくを秋津飛ぶ原老父立ち見ゆ
除染すら行程も無く冬迫る春の帰農は夢のまた夢
越後屋は菓子折り小判もたれあい
安全は羊頭腑肉隠しあい
官民の世論誘導仕込みあい
説明会西も東もやらせあい
馴れ合って語るに落ちるなすりあい
口開けて餌来るを待つ識者哀
高い煙突 伊達には建てぬ
恐い物質 遠く撒く ハア コリャコリャ たんと節
情報航海 七十五日
経って小出しの 二枚舌 ハア コリャコリャ キャプテンうふふ
判っているのに 触れない訳は
地獄無いとの ご印籠 ハア コリャコリャ 未踏肛門
賠償請求 ペンだこ与え
情報開示は 爪の先 ハア コリャコリャ 海星梨