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トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**まぶたの裏側

2011-12-11 | 大震災

 仰ぎ見る満天の星息を飲む眼下の町は津波と火災

 情湧かぬ寒さも知らず飢えも無きまなこは開き立ち尽くす夜

 歯も合わぬ焚き火すら無き高台で臨むわが町津波の火渦

 後ろ髪掴んで波は引き離す絞る間も無き焼印の時


*晩秋

2011-11-24 | 大震災

        菊でなくホトトギス挿す段の瓶

        意を込めて浜辺に飾るホトトギス

        たたずめば町は荒野の十三夜

        コオロギのまだ鳴く今日は小雪なり

        初雪やたいらに白き街の跡


*瞳の焼印

2011-11-14 | 大震災

          罪も無き人の土壇場愁嘆場

          満天の星空の下地獄絵図

          やまざくら他に何も無き生きている

          迎え火のごとく発火の瓦礫山


**三途の早瀬

2011-11-11 | 大震災

 うつし世で三途の早瀬出会うとは今際の今際引きくゆく波は

 引かれゆく窓の上辺に顔を見る目と目で語る今生の終

 引かれ消ゆあまたの影を認むとも藁すら持たぬ南無阿弥陀仏

 波の間に人を見送る声放ち別れと知れど励まし送る


**施死有無の大地

2011-10-29 | 大震災

 この農地セシウムいかん農夫言う今は在りとて子孫は無しに

 セシウムの高き土壌と言われても田畑なれば捨て作りする

 建前の解除いかほど役に立つ除染手付かずインフラも無し

 縦横に猪道走る薮田なり猪は餌とる施死有無の土地

 島の国逃げる場所などあらざりき丸き地球も逃げれば戻る


**わたつみの歌

2011-10-24 | 大震災

 竜宮にたどりついたる旅人は戻る道なし乙姫の席

 海の宮里にあらずも安らかに幾多の人よ南無阿弥陀仏

 深き海かいなに抱きしあまた身をわたつみあやす右に左に

 音のみ泣くあかずに泣きて止みもせぬ段波段波の津波のごとく


**わたつみの歌 1  温故痴新編

2011-10-23 | 大震災

 岩まくら深海の岩根とどまるも身は慣れぬまま水の冷たさ

      手枕の野辺の草葉の霜枯れに身はならはしの風のさむけさ  兼好

 汝や知る浜の野辺吹く夕風の止まるをみても落ちる涙を

      汝や知る都は野辺の夕ひばりあがるを見ても落ちる涙は    応仁記

 人住まぬ破風の崩れ家板ひさし荒れにし今は潮騒の打つ

      人住まぬ不破の関屋の板廂荒れにしのちはただ秋の風    藤原良径


**三途の闇

2011-10-18 | 大震災

 放射能あまねく広くまた強く暮らしに祟る自除努力のみ

 県外に避難した身は生業も暮らしも全て自助努力なり

 責任の始末は軽く儲けなら二乗努力は惜しむ事なし

 国難と言って酒盛る泥茶碗自浄不可能我田引水


**泥鰌すくい  合コン編

2011-10-14 | 大震災

 糞土で塗って 朽ち木を彫って

   結果打つ手は おでこだけ ハア コリャコリャ    減知力暗然いいんかい?

 衆人環視で バサバサ斬って

   衆院黙止で 元の鞘 ハア コリャコリャ             オレオレ詐欺

 ぶらさがり泥鰌だもんで潜るのみ                  なりすま氏

 加害者の字意識あれど自覚なし                  東自社

 名前と住所金額書いて後は黒塗り前例倣え           無辜の民

 劇団で台詞学んでまたやれば次はばれない仕込みとやらせ 官民狂道

 黒幕の性根を見たり枯れ尾花語るに落ちる触れずに語る   民意


**忘れえぬ時 2  温故痴新編

2011-10-12 | 大震災

 海を背にけぶる瓦礫のうつつなき浜辺にめぐる風車かな

      妹が背にねぶる童のうつつなき手にさへめぐる風車かな 草径集

 大船渡かえらぬ水に影見せて来年も咲けよ山々ざくら

      大堰川かへらぬ水に影見えてことしも咲ける山さくらかな 桂園一枝


**忘れえぬ時 1  温故痴新編

2011-10-11 | 大震災

 澄んだ川助け呼ぶ声今もなお内耳に深し秋の夕浪

      すみだ川舟よぶ声もうづもれて浮霧ふかし秋の夕浪      泊洦舎集

 浪に落ち浪と消えにしあまた身に津波のことは夢の正夢

      霧と落ち露と消えにしわが身かななにはのことも夢のまた夢 賀茂翁家集


*五句絶句

2011-10-08 | 大震災

         汚染-洗浄-浄化-課題-代議士

         原発-発覚-覚醒-正義-疑義

         黒塗り-料簡-権謀-謀議-欺瞞

         発電-伝統-当局-極限-原発

         廃棄物-物議-疑問-問答-恫喝


**霜が降りても負けないで

2011-10-06 | 大震災

 捨てられる米と知りつつ苗植えて八十八の手間かけて秋

 廃棄米稲穂を拾い束に挿す農夫触れ行くハザ掛けの稲

 農地ゆえ作付けなくて荒れゆくを秋津飛ぶ原老父立ち見ゆ

 除染すら行程も無く冬迫る春の帰農は夢のまた夢


*愛人関係

2011-10-05 | 大震災

         越後屋は菓子折り小判もたれあい

         安全は羊頭腑肉隠しあい

         官民の世論誘導仕込みあい

         説明会西も東もやらせあい

         馴れ合って語るに落ちるなすりあい

         口開けて餌来るを待つ識者哀


**言を聞き、行いを見る

2011-10-04 | 大震災

 高い煙突 伊達には建てぬ

       恐い物質 遠く撒く ハア コリャコリャ      たんと節

 情報航海 七十五日

       経って小出しの 二枚舌 ハア コリャコリャ   キャプテンうふふ  

 判っているのに 触れない訳は

       地獄無いとの ご印籠 ハア コリャコリャ    未踏肛門

 賠償請求 ペンだこ与え

       情報開示は 爪の先 ハア コリャコリャ     海星梨