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トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

**見えなきもの

2012-08-11 | 大震災

    今日もまた浜辺の歌を口ずさみ夏草を踏み沖を見る

    穢れ神ウラン国膿み原発の転地創造末代万年

    国膿みて生まれし上とわたつみの薄情の視ず倦みの悲しさ

    豊穣の津々浦々を諸手にて鯨呑したるわたつみの乱

    仮設出てあした浜辺に立ち寄りてゆうべ浜辺で帰って来いよー


**長き一夜

2012-07-11 | 大震災

 地響きを救助に来しと思えども余震に騙され朝となりにし

 夜は明けてまた日が暮れる静寂に動けぬこの身野ざらしの刻

 我思うゆえに我あり身体無し意識遠のく遠のく夜明け

 ここに居るぅ明けに望みを託せども助け何故来ぬ静寂久遠


**海は広いな大きいな

2012-06-11 | 大震災

 わたつみが奪いし浜の豊穣も今倍返し牡蛎は豊産

 遅々として陸は荒れ野と朽ち屋でも海の母性は既に豊満

 豊穣の海はすばやく戻りたりみちのくの山めんこい森よ

 あの夕べ津波千里を覆えども渚の今はただ打ち返す


**浜辺の歌(温故痴新)

2012-05-11 | 大震災

還りける人来たれりと言いしかばほとほと死にき君にあらねば   悲妻子

  帰りける人来たれりと言いしかばほとほと死にき君かと思ひて     狭野茅上娘子

若の浦津波満ち来て潟を呑む悪し辺を差して民泣き示す       悲最人

 若の浦に潮満ち来れば潟をなみ葦辺を指して鶴鳴きわたる       山部赤人

高松もこの海を背に幹立てて波盛り耐え秋の日に消ゆ        否再樹

 高松のこの峰も狭に傘立てて満ち盛りたる秋の香のよさ         作者不詳

人も無き空しき更地に草茫々仮屋にまさりて苦しかりけり       被砕生

 人もなき空しき家は草枕旅にまさりて苦しかりけり             大伴家持


**春再び(温故痴新)

2012-04-11 | 大震災

 雪のうち津波来にけり鶯の凍れる涙いまだ融けざる

   雪のうち春は来にけり鶯の凍れる涙今やとくらむ        藤原高子

 わが宿に花見がてらに来る人はすべて散りなむ悲しかるべき

   わが宿の花見がてらに来る人は散りなむのちぞ恋しかるべき凡河内躬恒

 春ごとに花の盛りはありなめど相見る人の命なかれり

   春ごとに花の盛りはありなめどあひ見む事は命なりけり   よみ人しらず

 人も無き空しき家で肘枕仮設にまさり苦しかりけり

   人も無き空しき家は草枕旅にまさりて苦しかりけり       大伴旅人


*春彼岸

2012-03-25 | 大震災

                  てんでんこ此岸掴めて春彼岸

                  カサコソと鳴る箱胸にかすみ空

                  食べてるよ生きてる証お中日

                  裸木のよう断舎利と剥ぎ取らる

                  山笑むも人見ぬ里の二十キロ


*波路はるかに

2012-03-20 | 大震災

           三千は同行二人遍路中

           お中日西方浄土はあの向こう

           春分や父母は真深き海におる

           わたつみの手の平で生く春の海


**母醍樹

2012-03-15 | 大震災

 夢路でも吾子を抱きたい顔みたい黄泉に行きたい神話のように

 待ち受けを見るたび恨むこの身をば何故に残した冥府魔道よ

 子の歳を数えロウソク吹き消すはせめて忘れぬ生きてた証

 再びはあるまじき事震災に消えてまぼろし一期一会と


*PTSD

2012-03-12 | 大震災

            またこの日津波のごとく溢れ出る

            ひととせはあの日をスローでたどる旅

            触れまいと思う中から圧し寄せる

            山目覚むひととせ後も伏目なり


**今月今夜

2012-03-11 | 大震災

 押し潰しまた引き連れて波帰る帰る術なき波間の影は

 押し寄せる波に風花濡れ鼠桜まだ見ず先に散りゆく

 求めても叫んでも去る父祖の地は引き波が裂く永久の距離へと

 とどまるを知らぬ引き波声乗せて阿修羅のごとく沖へ消えゆく


*沈黙の春

2012-03-10 | 大震災

             巡らせる戻る日もなき里の春

             人知らず里は桜々だろう

             ひととせで庭は野草の萌え野原

             春泥の原黙々と探し人

             背伸びして人居ぬ里のフキノトウ


**頑張る東北50音 2

2012-02-12 | 大震災

 花も無きいありさま里に時の暮らしのかに兆す

 前を見て無き未知を理せずに指す復興う踏み出した

 山並みは帽子なりき年に

 来年は想の町にると言う火のごとく傍で彼は

 わが町は舎なれどもむ人の女のごときだべうんだべ


**頑張る東北50音 1

2012-02-11 | 大震災

 明けて今日えぬ心にららかな顔の初日い新たに

 顧みて中めぐるしみもさず残しても年も

 寂しさをって留まりむ事で中を押すは達の輪

 起ちてゆくと砕けたき日に道様はに歩めり

 何も無き本の未来り替えるい汗するりの命


**ちりぬるをわか

2012-01-12 | 大震災

 に出るも墓参りもる日無くの粉にみれし里は

 っぱれと里思うの心路なれども助けに行く

 拶もしくなりぬ日今日は捨てずに指して歩む

 面見つ方なきかとむ口に観の鼓動せと叩く

 りくるぎし日付にーと絶句


**いろはにほへと

2012-01-11 | 大震災

 如何にせんは形も無く壊され本国中弄される

 兵隊がんで降り立つり散りのの孤島にまる支援

 瑠璃玻璃を足蹴のが町にら参じるその国衆

 ただ寒き蔵庫なるの下き中にもんごろ一つ

 成らぬ事暴無頼理通すから悪魔舎は消えた