四季の移り変わりに色をそえて
Shiki彩々
三度(みたび)・・・妹尾 河童さん

「河童が覗いたヨーロッパ」

初めてヨーロッパに行く前だったか
それとも行った後だったか記憶が定かでない

奥付を見ると第七刷1978年となっているので
行った後のような気もしている

舞台美術家の妹尾 河童さんのこの本
ヨーロッパで泊まったホテルの部屋を
見取り図のように描いている

もう一目ぼれだったこの本
その後行ったときに乗った
イタリアからの列車の席

そして憧れて乗ったコンパートメント
写真以上のリアルさで記憶を蘇らせててくれる

解説も面白くピサの斜塔で
手摺のないことを質問したら
危ないと思ったら外に出なけりゃいいのさ!
そんな話を読んで
「自己責任」なる言葉を思い出した

これってもしかして・・
責任転嫁・責任逃れの言葉では
そもそもイタリアに
「自己責任」なる言葉あるのかしらん?

そんなことに驚きながら旅をした河童さん
しばらくして話題になったのが「少年H」
その頃は興味ある河童さんの昔の話として読んだけど

先日知り合いが参加していた
「九条美術の会」の会場で
妹尾河童さんの言葉に出会った

「あの時代”を体験した者の責任においても
戦争に至る可能性のある道を選んではならない。
…舞台美術家妹尾 河童」
何度も読み返したい言葉である
コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )
« 本棚の整理中に | 野に遊ぶ » |
ホテルの絵をよく覚えています。本は買っていないのだけど・・
なかにし礼が昨年「平和の申し子たちへ」という詩で
メッセージを伝えていることを朝日の連載で知りました。
私自身も戦後民主主義の中で育ってきたと
学生時代実感していました。今はどうなっちゃったのかと・・
私たちの最後の使命は平和と自然環境を守ること
その2点が基本ですよね。残された時間で伝えることは
美大の予備校の時河童さんに憧れて進学した子が結構いました
本職のセットデザインだけではなくお料理やエッセイ・小説まで本当に才能が溢れていた方ですよね
皆が皆同調しなくては居心地の悪い時代になってきて・・・
こんな時代どう思うのかな
表紙もなくなり、ボロボロになってしまって・・
それなのに美での説明の栞のようなものはなくなっていない。
なかにし礼さんの出ていましたね。
凄い勢いで、変わっていってますよね・・・
今日のニュースでメルケルとオランドがウクライナ問題でロシアとウクライナと和平への会談に入ったとか。
メルケルは、バランス感覚というか、原発事故の時もだけど・・凄い人だと思って。
今この国にいるからこそ思えてくるのか。
日本はこんなことをしていてよいのだろうか・・
好奇心と、ものを見る角度とかが面白い。
同調というか、口を閉ざすようになってきているようで。
なんだって、かんだって、間違ったって、言い合って、歩み寄るなんて言うのは・・・消えた?
あのT高校方式!!
長きにわたる、計画的な(?)○×方式の学校教育の結果とか・・・
舞台も妹尾さんでしたね。
ほんとうに多彩な人です。
同じでなくていいという考えは広まっているような気が
するけれど・・・
反面ものすごく画一的な感じもする若い世代。
本格的なオペラの舞台をつくったらスゴイ
ヨーロッパのオペラ劇場は
舞台セットを保管し
何度も使うという。(「小澤征爾さんと、音楽について話をする」の受け売り)
ミュージック・フェアもそうだったのね。
一つのことを極めた人は、何においても極め方を知っている。
面白い人だと思っちゃう。
同じでなくていいという考え方を知っている人は多い。
知っているだけで出来る人はほとんどいないと思う。
知っていると出来るとは全く違うこと。
知ることは一分一秒でできるけど、
できるようになるということは恐ろしく時間を要する。
「世界に一つだけの花」あの歌は、
一人ひとり違う人間が生きているところでは流行らなかったのではとおもう。
ふしぎとあの歌への反応も画一的だった気も・・・
これは大人が、本当に理解できるようにならない限り難しいことなのかもしれない。
これは昔、中学のI谷君が言っていた、
図工の時間に絵を描かない子がいても、
1という評価をつけるものではないと言ったことにつながっていくと思う。
昨年バレエ・リュス展を見てきたけど、デザインを手がけた人たちが・・そうそうたるメンバーで。
よくぞそろえたと思ったけど・・
舞台装置とは・・・
ウイーン近郊にある倉庫にしまってあって
だいたい4年くら使えば
元が取れるのだそうです。
日本公演なんかには
セットを船に乗せて運ぶんだとか。
元を取ったあとは、
地方の会場に貸出して儲けるそうです。小澤征爾談
舞台セットだけで設けをだすとは!!
しっかりしているというか、物を大事にするというか!
といいながら最大の理由は、その舞台セットがそのオペラには最高のものだということなのでしょうね。
面白そうな本だ♪