香港上場の旅行かばん世界最大手サムソナイト・インターナショナルは3日、同業の米トゥミ・ホールディングス(TUMI)を約18億ドル(約2050億円)で買収することで合意したと明らかにした。
この買収が合意に近づいていることはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が2日に報じていた。
サムソナイトはTUMI株1株当たり26.75ドルを支払う。これはTUMI株の2日終値20.13ドルを33%上回る水準。3日の同社株は急騰し、前日比6.07ドル(30.15%)高の26.20ドルで引けた。
キャリーバッグやタブレット端末ケース、ブリーフケースなどを製造するTUMIは12年に新規株式公開を実施した。1975年創業の同社は100店舗以上の直営店を展開しているほか、製品は高級百貨店などでも販売されている。15年のTUMIの売上高は3.9%増の5億4770万ドルとなり、6300万ドルの純利益、純利益率11.5%を計上した。
サムソナイトはここ数年で、老舗の米ハートマンやカジュアルバッグメーカーの米ハイシエラなどを買収している。 ニュージャージー州サウスプレインフィールドに本拠を置くTUMIの株価は今年、21%上昇。2日の終値は1.7%高の20.13ドルだった。だが、IPOを実施した年の高値(25ドル超)からは下落している。
一方、米デンバーで1910年創業のサムソナイトの時価総額は40億ドル超。現在、同社はルクセンブルクに本拠を置き、株式は香港市場で取引されている。サムソナイトはアメリカン・ツーリスターやリップオールトといったブランドを買収することで成長してきた。14年の売上高は前年比17%増の24億ドルだった。