メルカリ<4385>が6月19日に東証マザーズに上場します。上場時の時価総額は約3,700億円と、今年最大となる見通しです。しかし、これだけ有名な会社にもかかわらず、業績は赤字となっています。果たしてメルカリは買うべき株なのでしょうか。(『バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』栫井駿介)
メルカリは、個人間で物品の売買を行うスマートフォンアプリを提供・運営しています。相手に住所を知られることなく売買ができることや、アプリで簡単に商品の登録ができることから人気を集め、アプリのダウンロード数は日米で1億件にのぼります。
サービス開始以来快進撃を続ける一方、1年前には現金が出品されたことでマネーロンダリングや貸金業法違反が指摘される問題も発生しました。そのような困難を乗り越えてようやく上場に至ったという経緯です。
企業が上場すると、「目論見書」や「有価証券報告書」が公表され、事業の状況や業績を確認できます。メルカリの業績を見ると、売上高こそ順調に伸びていますが、直近の損益は赤字となっています。3,700億円の時価総額がありながら、紛れもない「赤字企業」なのです。
ただし、赤字企業だからといって投資対象から切り捨てるのは早計です。米Amazonは、ほとんど利益を出していないにもかかわらず株価は上昇を続け、いまや世界第2位の時価総額を誇ります。
メルカリが赤字になっている要因は、主に広告宣伝費です。2018年6月期を見ると、220億円の売上高に対し、141億円が広告宣伝費となっています。逆に言えば、それ以外のコストはほとんどかからないビジネスモデルなのです。
このようなビジネスでは、まずは利益度外視で市場シェアを勝ち取ることで、売上がある程度まで伸びれば利益は瞬く間に増加します。メルカリのサービスはまだはじまったばかりですから、今が赤字なのは当然の成り行きと言えます。
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