11年度の売上は、50億円の見込み、
*11/9/30,日経
大和ハウス工業などが出資する蓄電池製造ベンチャーのエリーパワー(東京・品川)は2012年春にも川崎市で新工場を稼働させ、大型リチウムイオン電池の生産能力を今の6倍に引き上げる。従来の公共施設・事務所用に加え、住宅など家庭用にも本格参入する。総投資額は150億円。東日本大震災後に電力不足への懸念が全国的に高まるなか、自然エネルギーなどをためる蓄電システムの引き合いが増えていることに対応する。
新工場の生産能力は蓄電容量が150ワット時のセル(発電素子)換算で年100万個。エリーパワーは10年4月、川崎市に同容量のセルを年20万個生産する工場を稼働したが、このほど同工場の隣接地で建設に着手した。
リチウムイオン電池は鉛蓄電池など現在主流の大型蓄電池より蓄電効率が高い。住宅や工場の非常用電源や太陽光や風力など自然エネルギーの蓄電などに向くが、製造コストが高く普及は遅れている。エリーパワーは新工場稼働による量産効果で製造コストを12年以降、現状の2分の1から3分の1に引き下げる。
同社は容量2.5キロワット時のリチウムイオン電池を停電時の非常用電源として地方自治体などにリース方式で累計1000台程度納入した。年内にも容量2.5キロワット時の蓄電システムを150万~200万円で発売するが競合他社より割高感がある。新工場稼働でより安く売れるようにし、家庭用の需要開拓を急ぐ。
新工場建設の原資とするため、100億円規模の第三者割当増資を実施する。30日にも大和ハウスや国際石油開発帝石など既存株主4社と、米ゴールドマン・サックスグループが投資目的で作った会社や三井住友海上火災保険など新たな株主5社に約70億円分の株式を割り当てる。さらに来春までに既存株主などを引受先に20億~30億円を追加増資する。エリーパワーの払込資本は現在約166億円。増資後は約250億~260億円と、ベンチャー企業で国内最大級になるという。
エリーパワーは車載用などを除く定置型大型リチウムイオン電池メーカーで国内最大手
09/7
エリーパワーは、大型リチウムイオン2次電池の量産化技術を向上するため、研究開発設備の導入と材料の調達を目的に、約8億円の第三者割り当て増資を実施した。2009年7月29日には、豊田通商が約5億円を引き受け、このほか、ミツミ電機が約2億円、三井住友海上キャピタルも引き受けた。これにより、2006年9月の設立以来の払込資本の総額が101億円に達したという。
豊田通商は、これまでの風力発電事業に加え、リチウムイオン2次電池を活用した太陽光発電などのグリーン電力事業を進めるという。
ミツミ電機は環境・省エネルギ分野に注力しており、同社が民生機器向けに展開してきたリチウムイオン2次電池関連事業を産業機器向け分野にも展開するために役立つとした。
エリーパワーによると、2010年には年産20万セルの生産体制を構築し、その後、年産120万セルまで生産能力を拡大する予定である。今回の資金は電池の性能や量産技術の向上に用いるという。