佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

mimori yusa piano solo 2005 in gioia Mia

2005年11月19日 01時26分42秒 | ポピュラー
 遊佐未森のコンサートへ行ってきました。


 いやー、今年はライブの当たり年ですが、
こんなに優しく、温かく、胸がいっぱいになったのは
初めてです。嬉しかった、良かった、本当に。

 
 知らない人のために。
 遊佐未森は仙台出身。
国立音大在学中より音楽活動を開始。
1988年デビュー。
3rdシングル「地図をください」が、
日清カップヌードルのCMソングに使われヒット。
以降、透明感ある歌声と、独自の音世界で
注目を浴び、CDを数多くリリース。
国内外のミュージシャンとのセッションも数多い。


 未森さんは、簡単に言うと、
僕にとっての”アイドル”です。アーティストの。
何が好きって、全てです。
ビジュアル、話し声、歌声、サウンド、生き方。
僕が中学校の頃にリリースされていた
「ハルモニオデオン」というアルバムで出会い、
以降、ずっとファンです。
正確に言うと、東京にいた3年間は、
ポピュラーをほとんど聴かなかったので、
離れた期間もあるのですが、
就職を機にまた戻ったという感じです。

 デビュー当時は、
ヴォーカル、サウンド、衣装、ジャケットなど、
とにかくコンセプトを明確に打ち出した歌手で、
その頃からとても独自の世界観を持っていた人。
その後、いろいろなアーティストとの共演を果たす中で、
サウンドに色々な変化もあり、しかし、
遊佐未森という芯を常に一本通して、
これまで活動を続けてきた人。
ビッグセールスはなかったけど、
それはむしろ彼女にとっては好都合で、
確固たるファンを獲得して、
こだわりを貫いて今までずっと歌ってきた。

 僕自身、彼女のライブは3回目。
11年前!新潟に来たとき、
僕は大学に受かっていないのに、
チケットを買って待っていたことがあり、
2回目は武道館。多分彼女にとっての
最高キャパでのステージだった。


 仕事終わって急ぐ。
国道が事故で渋滞。慌てて迂回するが
そこも事故。
夕方のラッシュ。普段の倍以上かかる。
ありえない。
車の中で相当イラッとする。
19:30開演だったので、幸い間に合う。
会場のジョイア・ミーアは、やや大き目のレストラン。
よくポピュラーやジャズなどのコンサートが
開かれる。
少し暗めの照明にキャンドル。雰囲気良い。
人が沢山いる。ちょっとびっくり。
客層、男女比が5:5にもっとびっくり。
未森さんのファンというと、
ちょっとマニアな男のイメージが強かったが、
女性も多い。これは嬉しい。
真ん中より後ろだったが、箱が大きくないので、
とても近く見える。嬉しい。

 登場。
華奢で可愛い。美しい。
こんなこと言ったら失礼だけど、
40歳超えてるなんて絶対信じられん!

 今回はほぼピアノ一本。弾き歌い。
国立の教育出身。ピアノはお手のもの。

 第一声。


 「ああ~!」(僕の心の声)


 年月経っているけど、
紛れもなくそこに遊佐未森がいる。
変わらない歌声。胸が熱くなる。
客席もすぐに彼女の声に引き込まれる。

 作品は新旧織り交ぜて。
ピアノ1本と声。最大にシンプルだからこそ、
彼女の声が生きる。
彼女の声は、ともすると
ヒーリングっぽい風に聴かれがちだが、
それは間違い。
今日の編成だからこそ、
彼女の声の音色の多彩さ、幅広さが分かる。
ただきれいなだけではない。

 トークを交えて進む。
彼女のほのぼのしたキャラ。
その中にある一本通った芯。
華奢な彼女が、音楽業界の荒波の中、
ここまで生き残ってきた故だ。

 後半はトークを減らして。
曲が続いて、僕の気持ちもいっぱいになる。
聴いているだけで、どうしてこんなに
温かく、豊かな気持ちになるんだろう。

 会場は小さくなっているけど、
これまでずっと歌い続けてきた彼女。
中学から聴いている歌手が
すぐ目の前で歌っている。
あの頃と変わらぬ歌声で。
いろいろなことがあったのに、
今、こうして、僕と彼女が
同じ空間を共有している。
胸が熱くなった。
ファンを続けていて良かった。

 アンコール後も鳴り止まぬ拍手。
彼女が挨拶する。
心地よい空間が幕を閉じた。

 
 彼女はこれからも、ずっと、
細く長く歌い続けていける。きっと。
そして、僕も追いかけることが出来る。
またこんな場を共有したい。絶対に。
ああ、良かった。