佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

吹奏楽考~主に合唱との比較その1~

2005年11月15日 00時13分29秒 | 合唱
 合唱は何故人気がないか。


 人気がないということを
何をもって示すか。

 中学教師kotchさんもブログに書いているが、
小・中・高等学校、大学の団員数が、
減ってきていると思う。
言われて久しい気がする。
コンクールへの出場団体、減っている。
朝日のコンクールなどは、実は元から少ないし。
新潟県に関してはそうだ。
他県でも多分そうだろう。
出演団体の母数が極めて少ないのだ。
僕はコンクール信者ではないので、
これで人気のなさを語るのは嫌なのだが、
今の合唱界が良くも悪くも(僕は大変悪いと思っているが)、
コンクールを中心に動いているので。

 それに対して吹奏楽。
どうか。

 あんなに金がかかるのに、
大抵どの学校にも部活がある。
数えたことはないが、
多分母数は絶対的に多い。
コンクールへの出場数。
そして演奏会への足を運ぶ人数。

 誤解をして欲しくないので書くが、
僕は吹奏楽部出身だ(中学)。
合唱は特設部(季節合唱団)だった。
そして、僕は吹奏楽も合唱も好きだ。
プロやアマチュアの吹奏楽の演奏会にも
よく足を運ぶ。
機会があれば、振ってみたいくらいに思っている
(経験はないけど)。

 東京に居たとき、初めて行った演奏会。
たまたま見つけた、都立片倉高校の吹奏楽部の演奏会。
謳い文句は「リードとバーンズが来る!」。
中学での経験しかない僕でも知っている。

 行った。
200m以上の行列。
未だかつてあれ以上の行列を見たことがない。
(消防法上いいのか分からないが)
1800席くらいのホールで沢山の立見が出ていた。

 新潟でのプロ吹奏楽団の演奏会。
東京佼成やシエナ。ほぼ満員。
学生も多かった。

 
 対して合唱。
まず人の演奏会に行かない、みんな。
びっくりするくらい。
今年の全国大会、新潟の人間何人聴きに行くのか。
プロの演奏会(新潟ではあまりないけど)。
空席が目立つ。まして学生が少ない。


 これ、論文ではないのでデータに基づいて
話していない。印象論だ。ただ、
長きに渡って見て来ているので、
あながち間違いではないだろう。

 
 僕は、教員をあきらめたので、
学校現場のことは人から聞くしかない。
が、一体どの程度の人が、
危機感を持っているのだろうか。
現場の人間は。

 なんで現場に関係ない僕が、
声を大にして言わなければならないのか。
僕は半ば苛立ちすら感じているのに。
それぐらい危機感を持っているのに。


 あえてきつい言葉で書いてみましたが、
本音です、僕の。


 そもそも僕の考えだと、
学校ですべきことは、
授業を通じての合唱。そこでの底辺の拡大。
部活は地域に任せるべきだと思っている
(つまり「部活」ではなく、アメリカのクラブみたいなものか)。
だから、今の現場の先生に
一概に責任があるとは思っていない。
学校の先生には、授業に集中して欲しいと思っているし。
むしろ、合唱バカを作って欲しくないと思っている。
いろいろな音楽を平等に教えて欲しいと思っている。


 今日はあまり踏み込んでは書かない。
文句ばっかり書いているが、
僕の今の立場は、
外部の人間だからこそ出来ることを
何とかしたい、という立場。
これを読んで、怒る人、いるだろう。
ただ、僕も現実と格闘している先生も知っている。
何も知らないわけではない。
まず関係者に発奮して欲しいのだ。
だから直接的に書いてみた。
また書くと思います。
どうしたらよいか、など。
コンクールへ向けて、敢えて逆らった投稿ですが。