佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

笹川美和 Special Live in LOTS

2005年11月04日 00時50分43秒 | ポピュラー
 電車に乗る。

 何とも驚くべきことだが、
今、新潟市近郊からかなり広い範囲で、
自動改札機が導入されている。
僕の最寄り駅はほぼ無人駅なのだが、
同様に自動改札機がある。
そして、僕の実家の駅にも近いうちに
導入されるらしい。
さらに、新潟市近郊では、来年から
suicaが使えるようになるらしい。
隔世の感だ。

 今日は本当は、夜、
塩谷哲&小曽根真のピアノライブへ行きたかった。
よし、いつものように行ったつもりになろう。

「。。。。。。。ない。。。」

 そう、CDを持っていない。
クラシックではないので、代用品もない。
行ったつもりにはなれませんでした。
しかし今回は、この2人でのCDの発売を記念したツアー。
今度聴いてみよう。

 代わりではないが、
笹川美和のスペシャルライブへ行く。

 笹川美和は、新潟県旧・紫雲寺町の出身。
インディーズで活動後、
2003年、avexから「笑」でメジャーデビュー。
この「笑」をはじめ、数々の曲がタイアップに起用されている。
メジャーで活動する現在も出身地に住んでいる歌手だ。

  ♪笑い 笑え 泣き笑え

 多分、みんな聴いたことがあるはずだ。

 今回は新潟限定シングル「紫雲寺」発売記念のライブ。
このシングルを購入した人のみ入場整理券がもらえる。

 新潟LOTSは初めて行く。
FM-NIIGATAが移転した時に
会社の1階に作った新しいライブハウスだ。

 会場10分前。人が沢山並んでいる。
年齢層も結構幅広い。
中へ入る。思ったより広い。
スタンディングなら結構さばける広さだ。
前の方のイスが空いていた。座る。
立見も出る盛況ぶり。

 登場。今日の編成は、
Vo.&Pianoと、Perc.とエレアコの
アコースティックな3人編成。

 演奏が始まる。
すぐに彼女の独特な世界に、空間が染まる。
とても郷愁を誘う声。そこに
エレアコとパーカッションの音が絡む。
とても簡素だが、だからこそ彼女の声が生きる。

 彼女を良く知ったのは、実は
半年限定でパーソナリティーをしていた
オールナイトニッポンだった。
もちろん新潟出身とは知っていたが、
ある意味ぶっ飛んだキャラクターが
非常に面白く、録音して聞いていた。
そこで彼女の曲には接していた。

 今回のライブのメインである「紫雲寺」の演奏。
第一声。

 「おおーーっ」(僕の心の声)

 一瞬にして彼女の声が空気を掴んだ。
いいテイクだった。

 「紫雲寺」を語る時、避けて通れない話。
若くして亡くなった僕の同級生が紫雲寺出身。
同じ合唱団で歌っていた。皆に好かれる人だった。
お墓参りに、紫雲寺へ何度も足を運んでいるので、
その空気感がわかる。静かでゆったりとした時の流れ。

 この曲を聴く限り、否、彼女の歌に触れる度に、
これからも亡くなった彼女を思い出すだろう。
なぜなら、彼女の歌が、デビュー後の今も、
その紫雲寺で生み出されているから。
その作品には、確実にその地が反映されているから。

 そういう意味で、笹川美和は僕にとって”重い”歌手だ。
確かに、大ブレイクするタイプの歌手ではないかもしれないが、
彼女が紫雲寺に根ざして歌を歌っていく限り、
きっと応援し続ける人がいる。
そして僕も、彼女の歌を聴くたびに、
紫雲寺を、そして亡くなった彼女を思い出し続けるだろう。

 正味1時間だったが、本当にいいライブだった。