佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

アンサンブルBWV2001公演~J.S.バッハ「ヨハネ受難曲」~

2005年11月29日 23時21分45秒 | 合唱
 日曜日の話。

 新潟県の魚沼市小出郷文化会館へ、
アンサンブルBWV2001公演
バッハ「ヨハネ受難曲」を聴きに行く。

 これは、この文化会館が行っている、
うおぬま響きの森コンサート・シリーズ2005の
一つ。今年は既に3公演行われたが、
そのトリを飾るのは、シリーズ3周年特別企画の
上記演奏会でした。

 僕は今年、4公演のシリーズ通し券を買った。
結局行けたのは2公演。しかし、
この公演に行きたくて買ったようなもので、
非常に楽しみにしていた。

 この「アンサンブルBWV2001」は、
古楽界を代表する8人の声楽家と
8人のピリオド楽器奏者によって、
2001年に結成されたアンサンブル。
メンバー全部書くのは大変なので、
声楽だけ書くと、

ソプラノ:佐竹由実、高橋節子
アルト:小原伸枝、阪口直子
テノール:大島博、辻秀幸
バス:小原浄二、田代和久

と、一流どころ。

 さて、実はヨハネ受難曲、
聞いたことありませんでした。
不勉強です。
マタイ受難曲は、メモリアルイヤーの
2000年を中心に、何度も生で聴いているのですが。

 さて、内容ですが、、、
実を言うと、会場が非常に暑く、
眠気と戦っていました(ごめんなさい)。
特に第一部(イエスの捕縛、裁判、ペトロの否認)。

 ホールは響きでは有名なホール。
8名の声も良くとんでくる。
しかしなんと言うか、淡々と過ぎた印象が。
アンサンブル的にも、8名の声楽家の純度が
もっと欲しいなと思いながら聴いていた。

 しかし、第二部からは非常に良かった。
尋問と鞭打ち、死刑判決と十字架、
イエスの死、イエスへの追慕と讃美と、
テキストの緊張感が増す。
勿論音楽の緊張感も。
このドラマティックな内容を、
少ないアンサンブルでよく表現していたと感じた。
いや、少ないアンサンブルだが、
一人一人の表現力が高いからこそ、
成り立つ表現の幅だろうか。

 そしてやはり、何と言っても、
随所に挟まれるコラール。
いやいや、いいですね。
大学生の時は良さがあまり分からなかったけど、
今になって初めて感じる良さ。

 今日のMVPは個人的には、
福音史家を務めた大島博さん。
手馴れたドイツ語と、安定した歌唱。
目立ちすぎず、でもちゃんとした存在感があった。

 バッハの受難曲はなかなか聴く機会がないし、
貴重な機会でした。
キリスト教の勉強もちゃんとしないと。