掃除の合間に今年のブログをざっと見返していたのですが、
軽井沢合唱フェスティバルの時にお会いした
タイトルの指揮コンで一緒だった方から、
「指揮コンのブログの続きいつ書いてくれるの?」
と言われ、
「えーっ、ブログ読んでくれてるの?」とビックリ。
「書きます書きます」とその場で約束しつつ、
またそのままにしてしまい。。。(苦笑)
今年中に書いておかないといけないと個人的にも思い、
締めくくりとして。
4月29日のトウキョウカンタート主催の
「第2回若い指揮者のための合唱指揮コンクール」、
事前審査を通過して参加し、12名中6名に残れず、
それについての以前の記事は下記から読めます。
http://tek310.blogzine.jp/music/2010/05/post_6755.html
http://tek310.blogzine.jp/music/2010/05/post_af44.html
http://tek310.blogzine.jp/music/2010/05/post_b0a3.html
で、決勝に残った6人の様子を客席から見ていました。
ロマン派の曲、20分のリハーサル×6人で、
最後に通して演奏、という流れ。
でも、正直、腑に落ちないな~と思いながら見ていました。
当然、自分は何故落ちたのかということ、
そして彼らは何故残ったのかということ、
それを考えながら見ていた訳ですが、
その時点で、その理由が見出せなかったんです。
別に、自分が一番だとかそういうことじゃなく、
僕が見ていて単純に感じたのは、
「色々なことを置いたまま、音楽をイメージで作っている」
ように見えたんですね。
合唱だから詩があるのは当たり前なんですけど、
詩から得られるイメージでアプローチする人が多く、
楽曲の構成とか、どういう風に全体を形作るかとか、
理論的なアプローチをする人が少なかったり、
単純に、ロマン派の楽曲としてどうなんだという疑問
(裏拍を全然歌わないでルネサンスの曲のように
大きな2拍子で振っていたり、とか)などが気になって、
自分も裏付けが足りないとは思いつつも、
そういう点で物足りなさを感じた、という印象でした。
結果発表があって、
ロビーでカンタート自体のスタートのレセプションがあり、
審査員3名と、音楽樹の方々も出席されていて、
ご挨拶がてら、いろいろお話しを聞き回っていました。
それで、納得しました。
オルトナーさんは振り方の事とか、
ホグセットさんには何を言われただろう、、、
暗いとか言われた気が(笑)。
暗いというかシリアス。。。とか。
一番印象に残ったのはキャリントンさんが仰ったことで、
「合唱団が既にそのように歌えていたのに、
君は演奏を止めてそのことを指示していた」
ということ。
初見演奏の曲を作曲された寺嶋先生からは、
「大人しく真面目に振る曲じゃないのに、
生き生きとした感じが出てなかった」
藤井先生からは、
「僕は評価しています」というお言葉を頂きました。
これは本当に嬉しかったのですが、
分析がそのものズバリでした。
「貴方はきっといろいろな合唱団で
下振りなどされている経験がお有りだと、
指導を見ていて思いました。
でも今回の審査員が見たところはそこじゃなかった、
ということだったと。
理論や技術が多少どうでも、
その人がどういう音楽を創りたいのか、
どういう事をしたいのか、その場のやりとりを楽しんでいるか、
ということが評価されたのだと。
だから気を落とさずこれからも頑張ってください」
というような内容のことを言われました。
いろいろな先生方の話を聞いて、
腑に落ちたというか、納得出来ました。
普段、下振りをすることが多く、
自分自身で音楽をどうしたいのかという点を
これまで問われてこなかったということです。
形を整えて指揮者に渡す作業に慣れ過ぎて、
自分自身で最後まで責任を持って音楽を創る、
ということが足りなかった、ということが一つ。
それに関連して、
自分自身の余裕の無さから、
実際のリハーサル自体、その場でのやりとりが
出来ていなかった、ということです。
自分の方向性、指示を伝えることで手一杯で、
実際にその場で鳴っているサウンドに耳がいってなかった、
そのため、そこから生き生きとしたやりとりや
音楽が生まれなかった、ということがもう一つです。
不足していたことが認識出来て、
またこれをきっかけとした今年のその後の出来事でも、
似たようなことを問われた1年でした。
もう年齢制限で出られないので残念ですが、
興味のある方はぜひ出てみては、と思います。