WBCと言えば?今や野球だが、
僕に言わせれば、「世界ボクシング評議会」の
略称と言う方がしっくりくる。
この日曜、WBC世界バンダム級タイトルマッチ
「長谷川穂積vs.ウイラポン・ナコンルアンプロモーション」があった。
日テレで午後7:00から中継していたのを録画して、
いつものように情報を遮断して家で見た。
結果は、長谷川が9RTKOで勝利。
非常にいい試合だったと思う。
ウイラポンはあの辰吉丈一郎を下し、
6年以上タイトル防衛を果たしたタイの英雄。
デスマスクと言う愛称があるとおり、
戦いの最中、表情をほとんど変えず、非常に冷静なボクシングをする。
タイトルを取ると乱れた生活になる王者もいる中、
彼は非常に真面目、勤勉で、練習や体調管理を怠らない
素晴らしいボクサーとして知られている。
だから軽量級としては本来困難な現37歳でも、
一線級の現役を続けられるのだ。
このウイラポンのタイトル防衛を止めたのが長谷川。
不利の予想の中、非常にスピード溢れるスタイリッシュな攻防で
ウイラポンを判定で下した。その後1度防衛し、
今回が2度目の防衛戦。ウイラポンとの再戦となった。
試合は序盤から長谷川が攻勢に出る。
対してウイラポンは特徴であるノーモーションでの右を
長谷川のボディに集める。
明らかに、長谷川のスピードを警戒して、
序盤はボディーを打ち、後半の長谷川の足を止める作戦。
それにしてもこの日の長谷川は切れていた。
スピードもあって、パワーもある。
明らかに長谷川が主導権を奪う。
何と言っても攻撃が多彩。
一発で終わらずワン・ツー・スリーと手が出る。
そしてこの日はアッパーも打っていた。
これがウイラポンのあごを幾度となく捉えた。
途中ちょっと力みのようなものも感じられたが、
6Rにはウイラポンをあわやというシーンまで追い詰める。
しかし、危機を感じたウイラポンは、7,8Rと逆に前に出る。
危ないとき、逆に前に攻めに出るのがウイラポンの特徴。
長谷川が足を使って捌こうとするが完全には捌ききれない。
しかし9R。長谷川は冷静だった。
前に出続けるウイラポンのあごを、
長谷川の右フックが見事なカウンターで入る。
ウイラポンはその場でダウン。
完全に足にきており、審判が止める。
9RTKOで長谷川が劇的な勝利を飾った。
ウイラポンは返り咲きに失敗。長谷川がリターンマッチを制し、
ウイラポンに引導を渡した。
亀田が高視聴率をたたき出したので、気になるのは数字だが、
今日のような戦いをしていれば、きっとファンも増えるだろう。
亀田とは違い、長谷川は非常に庶民派。受け答えも非常に謙虚。
対照的で、どちらがプロらしいかは難しいところだが、
僕は個人的に好き。
長期政権の期待を持てる今日の戦いだった。
皆さんも是非覚えてください。