新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

橋幸夫、舟木一夫

2022年11月30日 | 日記

 NHK「ふたりのビッグショー」(1994年)の再放送を観た。「若い東京の屋根の下」「夏子の季節」をふたりがじかに歌うのを聴くのは、そのレコードが発売されたころを除いてはじめてだ。レコードが発売された1964年ごろでさえ、テレビではめったに歌っていなかった。
 幼いころはこのふたりに憧れ、よくまねして歌ってみた。まずは橋幸夫。軽快なテンポの「若いやつ」「大学の青春」。こんな調子で歌って簡単に歌手になれるのかと思った人が多かったようで、いわゆる青春歌手が数多く誕生した。ただ橋幸夫の声には独特なものがあり、軟らかい低音から張りのある高音まで一直線に伸びていくのが魅力で、いくらくり返し聴いても飽きが来なかった。どのようなジャンルの曲でもたいした技巧も施さず、さらりと歌いのける。「お祭り小僧」「ああ特別攻撃隊」「通天閣の灯」などいまでもときどき聴きたくなる。カラオケで歌ってネット上にアップしている人がいるが、やはり声質が異なり、橋のまねはとてもできないことが分かる。飽きない声質は天性のものだろう。
 舟木はデビューして3年間、よく響く低音から軟らかい高音までをうまく使ってとても魅力的だった。「おみこし野郎」「まだみぬ君を恋うる歌」「夕月の乙女」などはYouTubeが使えるようになってからくり返し楽しんだ。詰め襟姿、前髪の独特な形をまねてみたり、テレビ番組「ロッテ歌のアルバム」で舟木が出演する回を食い入るように観たりした。
 私はこの時代の流行歌をこよなく愛し、カラオケでまねようとしたことがあるが、残念ながら声質の違いはどうにもならない。十八番にこのふたりの歌を入れることはできなかった。
 かつて毎年開いていた新年会、暑気払いでは、皆が自分の好きな歌を歌い尽くし、最後の締めに「高校三年生」と「青い山脈」を大合唱したものだった。