新・日曜炭焼き人の日記

炭遊舎のホームページで書いていた「日曜炭焼き人の日記」を引きついで書いていきます。

中国へ留学する

2022年08月15日 | 日記

 大学2年生からメールをもらった。近々、中国へ留学する。だが先輩留学生らと連絡をとると多くの人が留学先で「辛い思い」をしているようで、自分もそうならないかと心配だという。彼女は高校生のころから中国留学の夢を語っていた。大学入学後もその実現を目指して努力し、語学力を磨き、首尾よく交換留学生として渡航することに決まった。私も折にふれ外国留学を意義あることとして応援し、励ましてきた。
 ところが彼女は大学生になり、昨今の中国事情をつぶさに知るようになったようだ。日中関係は最悪の状態になっている。中国が台湾併合を虎視眈々と狙っているし、尖閣諸島を巡って日本との対立を鮮明にしている。さらに新疆ウイグル地区の人権問題が浮上している。また中国が実施しているゼロコロナ政策で街全体をロックダウンする強権的手法が日本で報道されている。日本人が中国人をよく思っていないように、中国の人たちも日本人をよく思っていないことが分かってくる。大学生になってそれらの実情を実感するようになると、中国へ行くことの是非を考えるようになっても不思議ではない。
 だが彼女への私の期待は大きい。彼女は体力、気力が十分にあり、それゆえに厳しい受験勉強をみごとに乗り切り、一流大学に合格した。さらに並みはずれた行動力と社交性を備えもつ。だからこそ人づきあいが悪い私にも、「本当に信頼してますし、大恩人ですし」といって、いまだに連絡をくれる。困難な環境にも屈せず、自分の未来を切り開いていける力を持っている。今回の留学がうまくいけば、将来かならず日中関係改善の架け橋になってくれる人材だと私は見込んでいる。
 今回どう励まそうかと思案した。留学先は上海。地図で見ると意外に近い。東京から飛行機で3時間ほどの距離で、沖縄本島と変わりない。寂しくなったとき、いつでも帰ってこれる距離だから、気分的にラクだろうとメールに書いた。こんな励ましかたでよかったのだろうか。