日本と韓国、たとえば、食事の文化にも隔たりはあります。
子どもの頃、親から「みそ汁にご飯を入れて食べるのは下品だからやめなさい」と言われたものです。
ところが、韓国人のなかには、当然のようにスープにご飯をまぜて食べている人がいます。
これは「下品」ととらえるべきか。
いや、そうではありません。
日本人はご飯にお茶をかけて茶漬けにして食べますが、韓国人は参鶏湯のようにスープのなかにご飯を入れます。
そういう食べ方をする伝統があるのです。
逆に日本人は左手に茶碗を乗せて食べますが、韓国人はけっして左手でもったりせず、食卓に茶碗を置いたままスプーンを使って食べます。
そもそも左手は不浄のの手であり、茶碗を持ち上げるのは「乞食の行動」と映るからです。
では、日本人は「乞食」なのでしょうか。
いや、それは単に習慣の違いがあるだけなのです。
さらに言えば、日本ではお椀の蓋は器の内側に収まりますが、韓国では外側に出ています。
甕にキムチを漬けて屋外で保存する際、内側にあっては雨がなかに入ってしまうからです。
これはご飯を入れる銀器も同様です。