田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

「BSシネマ」『海街diary』

2021-09-25 07:25:21 | ブラウン管の映画館

『海街diary』(15)



【ほぼ週刊映画コラム】広瀬すずが素晴らしい!『海街diary』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/cf171185ceb5a41b88967d4bd066a250

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ONODA 一万夜を越えて』

2021-09-25 07:01:12 | 新作映画を見てみた

『ONODA 一万夜を越えて』(2021.9.23.オンライン試写)

 太平洋戦争終結後も任務解除の命令を受けられず、フィリピン・ルバング島で孤独な日々を過ごし、約30年後の1974年に51歳で日本に帰還した小野田寛郎元陸軍少尉の物語を、フランスの新鋭アルチュール・アラリ監督が映画化。

 終戦間近の44年、陸軍中野学校二俣分校で秘密戦の特殊訓練を受けた小野田は、劣勢のフィリピン・ルバング島で援軍部隊が戻るまでゲリラ戦を指揮するよう命じられる。出発前、教官(イッセー尾形)から「君たちには、死ぬ権利はないが、必ず迎えが来る」と言い渡された小野田は、何としても生き延びなくてはならなかった。

 72年にグアム島で発見された残留日本兵の横井庄一さんに続いての小野田さん発見のニュースは、当時中学生だった自分にとっても衝撃的なものだった。横井さんは軍人という感じではなかったが、小野田さんはもろに軍人といった風情があり、一体この人はどんな思いでジャングルの中で過ごしてきたのだろうと思ったし、彼を発見した鈴木紀夫という戦後生まれの若者にも興味が湧いた。

 あれから50年近くがたち、恐らく手記や証言などを手掛かりに、想像を交えながら、30年にわたる小野田さんの謎の日々を埋めていったのだろうと思われる。その作業を、フランス人監督が行ったことは驚きだったが、逆に日本人が撮ったらここまで突っ込んで描けなかったのではないかとも感じた。アラリ監督監督は「これは一種の寓話」と語っているという。

 もちろん描かれた全てが真実ではないだろうが、ジョニー・デップの『MINAMATA』同様、こうした問題を掘り起こして知らしめるという点では意義があると思う。

 小野田役の遠藤雄弥と津田寛治、部下の小塚金七役の松浦祐也と千葉哲也のダブルキャストも違和感がなく、仲野太賀が演じた鈴木青年もなかなかユニークだった。ドラマ化はされたようだが、最後は雪男発見に邁進した鈴木さんの数奇な人生も映画にしたら面白いと思う。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「金曜ロードショー」『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』

2021-09-24 10:00:45 | ブラウン管の映画館

『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』 (84)(1984.10.19.有楽座)

 前作、『レイダース/ 失われたアーク《聖櫃》』(81)の前日譚で、舞台は1930年代。インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は、相棒のショート・ラウンド(キー・ホイ・クァン)とクラブ歌手のウィリー・スコット(ケイト・キャプショー)と共に、ヒマラヤ山脈の上空を舞い、インドの鉱山をトロッコで駆け抜け、奥地の宮殿で大冒険を繰り広げる。

 ウィリーが「エニシング・ゴー」を歌う上海のクラブから始まり、飛行機、ゴムボートを使った逃避行を一気に見せるオープニングの流れは快調。その後も、見応えのあるアクションが続き、ジェットコースタームービーとも称されたが、ストーリー的には支離滅裂なところがあり、グロテスクな描写も目に付く。

 とはいえ、インディとショート・ラウンドの絡みは琴線に触れるところもあるなど、スピルバーグのバランス感覚の甘さを感じさせられ、こちらの評価も今一つ定まらないところがある。

『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/7d57c3db2d32ca7f5e6d6adf4f9d7bbb

『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/eb96bbaf421200c455587aab28f33161

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「午後のロードショー」『狼よさらば』

2021-09-24 07:17:50 | ブラウン管の映画館

『狼よさらば』(74)

『狼よさらば』 と「デス・ウィッシュ」シリーズ
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/df1cf5b934b6be9b47bfcca7ed3285e1

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「BSシネマ」『無頼の群』

2021-09-24 06:34:14 | ブラウン管の映画館

『無頼の群』(59)

 自分の留守中、4人の無頼漢(スティーブン・ボイド、アルバート・サルミ、リー・バン・クリーフ、ヘンリー・シルバ)に妻を殺された牧場主のジム(グレゴリー・ペック)は、半年後、銀行強盗で捕まった彼らが絞首刑になるのを見届けるため、リオ・アリバの町にやって来る。ところが、その晩4人が脱獄し、町の娘を人質に逃走する。追跡を始めたジムは一人一人を追い詰め、復讐を遂げていくが…。

 監督は、『頭上の敵機』(49)『拳銃王』(50)『キリマンジャロの雪』(52)でもペックとコンビを組んだヘンリー・キング。複数の悪党を一人一人追い詰めていく陰湿な復讐劇という点では、後のスティーブ・マックィーン主演の『ネバダ・スミス』(66)と重なるところもある、双葉十三郎さんは「これは脚本がフィリップ・ヨーダンだから」と書いている。

 以前、『大砂塵』のDVDのリーフレットに、そのヨーダンのことを書いた。『大砂塵』は『カサブランカ』(42)を下敷きにして脚本を書いたのだという。

 フィリップ・ヨーダン 1914年4月1日、米イリノイ州シカゴ生まれ。イリノイ大学とケント大学で法学を学ぶ。

 40年代初頭からブロードウェーやハリウッドで脚本を執筆し始める。カーク・ダグラス主演、ウィリアム・ワイラー監督の『探偵物語』(51)、アカデミー原案賞を受賞した『折れた槍』(54)、西部劇『大砂塵』(54)『ララミーから来た男』(55)、史劇『エル・シド』(61)『北京の55日』(63)、製作も兼ねた『殴られる男』(56)『人類SOS』(63)『バルジ大作戦』(65)など、低予算映画から超大作まで、さまざまなジャンルの映画で優れた脚本を執筆した。

 赤狩りでブラックリストに載った脚本家のために名前を貸したことでも知られ、『黒い絨毯』(54)『最前線』(57)は、現在ではベン・マドウ作であることが明らかになっている。2003年3月24日死去。

ヘンリー・キングとグレゴリー・ペック

『頭上の敵機』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1afa0bc0cbd39188b4b259efa1978979

『拳銃王』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/1e250496aee5655436a197f8f7246cf7

『地獄への道』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/9c24e861cc02f21bd9edf87b0d0925ec

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『かそけきサンカヨウ』

2021-09-23 10:01:17 | 新作映画を見てみた

『かそけきサンカヨウ』(2021.9.22.オンライン試写)

 窪美澄の同名短編小説を、今泉力哉監督が映画化。サンカヨウとは雨に濡れると花びらが半透明になる花のこと。

 高校生の陽(志田彩良)は、幼い頃に母の佐千代(石田ひかり)が家を出たため、父の直(井浦新)と二人暮らしをしていた。だが、父が再婚し、義母となった美子(菊池亜希子)とその連れ子で4歳のひなたとの新たな暮らしが始まる。陽は、新生活への戸惑いを、同じ美術部に所属する陸(鈴鹿央士)に打ち明けるが…。

 家庭環境のせいで早く大人にならざるを得なかった陽の葛藤と成長が、陸との淡い恋愛感情を交えながら描かれる。ドラマ「ドラゴン桜」でも共演した志田と鈴鹿が、淡く不器用な恋を巧みに表現している。

 今泉監督は、『アイネクライネナハトムジーク』(19)『あの頃。』(21)などもそうだが、登場人物の一人一人がきちんと浮き立つような演出をする。つまり群像劇に冴えを見せるのだ。

 今回も、主人公は陽と陸だが、彼らの家族、同級生たちの姿を、一人一人丁寧に描いている。実質的な悪人が一人も登場しないところに甘さを感じる向きもあろうが、人間の嫌な面や醜さを強調して描く映画が多い中、設定に共通点がある沖田修一監督の『子供はわかってあげない』と同様に、こうした映画には好感が持てる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「午後のロードショー」『犬神家の一族』

2021-09-23 07:22:35 | ブラウン管の映画館

『犬神家の一族』(06)

誰もオリジナルの演者を超えてはいない
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/3033ad2cec53eb56caddd62e47b2c6fc

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【インタビュー】『カラミティ』レミ・シャイエ監督

2021-09-22 08:18:13 | インタビュー

 伝説の女性ガンマン、カラミティ・ジェーンの子ども時代を、西部開拓を目指す旅団の中で、困難に立ち向かう一人の少女・マーサの話として描いたアニメーション映画『カラミティ』が、9月23日から全国公開される。

 前作『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』(15)に続いて、絵画的な美しい映像の中で少女のたくましい冒険談を描いたレミ・シャイエ監督に、映画に込めた思いを聞いた。

「主人公のマーサが性別を超えてトライしていく姿を描きたいと思った」
https://tvfan.kyodo.co.jp/?p=1288976&preview=true

『カラミティ』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b9ecfa801c8b9bf56011a4245d67649c

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ほぼ週刊映画コラム】『MINAMATA-ミナマタ-』『クーリエ:最高機密の運び屋』

2021-09-22 07:18:14 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
事実は小説より奇なり。実話を基にした
『MINAMATA-ミナマタ-』『クーリエ:最高機密の運び屋』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1293169

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『信虎』

2021-09-21 07:26:32 | 新作映画を見てみた

『信虎』(2021.9.9.オンライン試写)

 甲州武田家の軍学書『甲陽軍鑑』を基に、武田信玄(永島敏行)亡き後、再び武田家の実権を握らんとする父・信虎(寺田農)と孫の勝頼(荒井敦史)との確執を中心に、信虎の晩年と武田家の滅亡を描く。

 雑多な登場人物と複雑な時代背景を説明するため、ナレーション代わりに、武田家とゆかりのある柳沢吉保(柏原収史)に昔語りをさせる形で進行させ、人物名やセリフに字幕スーパーを入れるなど、努力の跡は見られる。

 また、信玄の影武者を描いた黒澤明監督の『影武者』(80)で音楽を担当した池辺晋一郎を起用し、同作で織田信長を演じ、先頃亡くなった隆大介も顔を出すなど、『影武者』を意識したところもあるのだろう。

 ただ、寺田をはじめ、2時間ドラマの脇でよく見かけるような俳優たちと、時代劇慣れしていない若手俳優たちの熱演も、どこか空回りして見えるし、全体のテンポもあまりよくない。

 その理由は、監督は金子修介名義になっているが、恐らく製作、共同監督、脚本の宮下玄覇なる人物のワンマン映画というところにあると思われる。昨年の『HOKUSAI』の河原れんと同じようなにおいを感じ、何だか俳優たちがかわいそうに思えた。

 映画を相対的に見るのはあまりよくないとは思うが、これを見ると、退屈に感じた黒澤の『影武者』が、素晴らしいものに思えてくるという錯覚に陥る。

 「飛び出せ!青春」の片桐役などで活躍し、後に芸能レポーターに転じた剛たつひとの、本来の俳優としての姿を久しぶりに見た。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする