田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

【ほぼ週刊映画コラム】『ドラフト・デイ』  『スパイ・レジェンド』

2015-01-31 18:03:17 | ほぼ週刊映画コラム
TV fan Webに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

コスナー、ブロスナン、80年代スターの復活
『ドラフト・デイ』と『スパイ・レジェンド』

 

今週の一言と名台詞は↓

「主人公が窮地を脱する策を練るさまは、ミステリーの謎解きに近い」
by『ドラフト・デイ』アイバン・ライトマン監督

「奴が何で“ノベンバーマン”と呼ばれるか知っているか。
それは奴が通った後に、生き残った者は誰もいないからだ」

by『スパイ・レジェンド』ジョン・ハンリー(ビル・スミトロビッチ)


詳細はこちら↓
http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/986326
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『ジョーカー・ゲーム』

2015-01-31 17:25:09 | 新作映画を見てみた

『ルパン三世』風スパイ活劇



 日本版の『007』あるいは『ミッション:インポッシブル』という触れ込みだが、むしろ『ルパン三世』をほうふつとさせるスパイ活劇。亀梨和也の運動神経の良さが際立つ。深田恭子はセクシーだが、アクションは…。

 舞台は戦前、特務機関の暗躍と来れば、市川雷蔵主演の「陸軍中野学校」シリーズを思い出す、と言ってはちと古過ぎるか。否、そもそも原作の時点で大きく影響を受けているに違いない。

 もちろん、この映画にはあのシリーズが持っていた、いい意味での重厚さはみじんもない。戦前を舞台にしたスパイ映画がこんなに能天気でいいのか…という違和感も残るが、それはただの“背景”に過ぎないのだと思えば楽しめる。

 さて、東宝のスパイアクション映画といえば、宝田明がアンドリュー星野を演じた『100発100中』(65)と続編の『100発100中 黄金の眼』(68)が面白かった。この映画で日本のスパイ映画に興味を持った人は、「陸軍中野学校」シリーズや『100発100中』も、ぜひご覧あれ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『それ行けミステリーズ』(赤瀬川隼)を再読

2015-01-30 20:12:19 | ブックレビュー

 先日亡くなった赤瀬川隼さんの『それ行けミステリーズ』を再読。



 『フィールド・オブ・ドリームス』(89)の名台詞「それを造れば彼はやって来る」に触発された中年のサラリーマンが草野球のチームを造ろうと思い立つ。すると次々に縁ができ、人の輪がつながり、年齢不問、職業多彩の男女が集った野球チーム「ミステリーズ」が結成される。

 野球と映画が大好きな著者が綴った夢物語。ほのぼのとした味わいがあり、全編に野球と映画に対する愛があふれる。本場アメリカはともかく、野球を絡めた小説を日本に定着させたのは赤瀬川さんに他ならない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『洲崎パラダイス赤信号』 『不滅の熱球』

2015-01-28 18:25:06 | 映画いろいろ

『洲崎パラダイス赤信号』『不滅の熱球』

 

 ところで、映画で描かれた洲崎といえば、洲崎遊廓の入口の飲み屋を中心に、そこに出入りする男女の姿を描いた芝木好子原作、川島雄三監督の名作『洲崎パラダイス赤信号』(56)がある。

 作られたのは1956年だからなんと60年前、自分が初めてテレビで見たのは高校生の頃だからこれも40年前。けれども今見ても心に響くものがある。それは男と女の腐れ縁や人間の営みの本質は昔も今もあまり大差はないということなのだろう。決して器用でも幸せでもない登場人物たちのどこかあっけらかんとした生き方が強く印象に残る。

 そして、沢村栄治といえば、池部良が沢村を演じた鈴木英夫監督の『不滅の熱球』(55)がある。沢村が英霊となって後楽園球場に戻ってくるラストシーンが切ない映画だ。『不滅の熱球』の脚本は、黒澤明の映画で有名な菊島隆三が書いているのだが、彼はこの映画の他にも、後楽園球場での巨人対南海戦が映る『野良犬』(49)志村喬がプロ野球の監督を演じた『男ありて』(55)の脚本を書き、『鉄腕投手 稲尾物語』(59)の原作、構成も担当している。多分無類の野球好き。日本の野球映画を語る時には欠かせない存在だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『洲崎球場のポール際 プロ野球の「聖地」に輝いた一瞬の光』(森田創)

2015-01-28 17:53:03 | ブックレビュー

『洲崎球場のポール際 プロ野球の「聖地」に輝いた一瞬の光』(森田創)を読了。



 プロ野球草創期、遊郭で賑わう東京の下町、洲崎(すさき)にプロ野球専用の球場があった。大東京の本拠地として1936年に完成した洲崎球場である。ここは、巨人軍のエース沢村栄治が、優勝をかけた大阪タイガース戦で3連投し、自身2度目のノーヒットノーランを達成。ほかにも、タイガースの4番、景浦将の東京湾に打ち込んだホームランなど、数々の伝説が生まれた地。

 ところが、海辺の埋め立て地に造られたため水はけが悪く、満潮時には海水がグラウンドに押し寄せるなどの不備もあり、1年後にできた後楽園球場にプロ野球の聖地の座を奪われた。何しろ戦前、戦中のことなので、いつ解体されたのかも定かではない。本書は、そんな“幻の球場”について丹念に調査、発掘し、見事によみがえらせた。数々の証言や資料を基に、当時の世相や土地の歴史を明らかにし、選手の動静や試合経過を生き生きと伝え、時代の息吹きを感じさせたところが素晴らしい。

 ところで、著者の森田氏には、渋谷ヒカリエの「シアターオーブ」について開場前に取材させていただいた。オープニング公演は、本場ブロードウェーから招聘したオリジナルキャストによる『ウエスト・サイド・ストーリー』。森田氏は、「これは、野球でいえばメジャーリーグのチームがシーズンの真っただ中に日本に来るようなもの」と表現した。それを聞いて、きっとこの人も野球好きなのだろうとは思ったが、まさかこんなにすごい野球の本を書いてしまうとは…。脱帽である。

http://area.enjoytokyo.jp/shibuya/hikarie/vol3.html

続く

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ほぼ週刊映画コラム】『ビッグ・アイズ』

2015-01-24 17:33:23 | ほぼ週刊映画コラム
TV fan Webに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

アメリカ版“佐村河内&新垣”!? ゴーストぺインターを描いた
『ビッグ・アイズ』



名台詞は↓

「これからは一心同体だ」
byウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)


詳細はこちら↓

http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/985654
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『はじまりのうた』『フォックスキャッチャー』のマーク・ラファロに注目

2015-01-22 10:36:39 | 新作映画を見てみた

 『ONCE ダブリンの街角で』(06)のジョン・カーニーが監督した『はじまりのうた』は、音楽は人を幸せにすると思わせてくれる佳作だった。

 ミュージシャンの恋人に裏切られたグレタは、ライブハウスで歌う中、音楽プロデューサーのダンに才能を見込まれ、ニューヨークの街角でゲリラレコーディングを敢行することになるのだが…。

 グレタ役のキーラ・ナイトレイをはじめ、無名のバンドメンバーが実に楽しそうに演奏する姿が印象に残る。ダンが「音楽は平凡な風景を真珠の輝きに変える魔法を持っている」と語るように、音楽と溶け合うニューヨークの風景も見ものだ。

 

 ところで、この映画で落ち目の音楽プロデューサーのダンを演じたマーク・ラファロがなかなかいいなあ、と思っていたら、『カポーティ』(05)『マネーボール』(11)のベネット・ミラー監督が、デュポン財閥の御曹司が起こした殺人事件を映画化した『フォックスキャッチャー』で早くも再会することができた。

 実話を基に映画化したこちらでは、レスリング五輪金メダリストで、コーチとしても一流、弟思いのデイヴ・シュルツを魅力的に演じ、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされている。全く違う役柄で続けて好演を見せたマーク・ラファロは、近頃注目の俳優である。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イチロー、マーリンズへ!? 『Mr.3000』

2015-01-19 16:00:08 | 映画いろいろ

 ニューヨーク・ヤンキースからFAとなり去就が注目されていたイチローだが、ようやくマイアミ・マーリンズとの契約が決まりそうだという。これで、あと156本に迫っている、メジャー通算3000安打の達成が現実味を帯びてきた。マイアミ(旧フロリダ)・マーリンズは93年に創設された新興球団だが、97と03年にワールドシリーズを制覇している。

 さて、3000安打で思い出したのが『Mr.3000』(04)という映画だ。3000本安打を打って「これで殿堂入りだぜ」と鼻高々に引退したミルウォーキー・ブリュワーズのスタン・ロス。ところが実は記録ミスがあり彼の安打数は2997本だった。自分勝手なこの男はあと3本のヒットを打つために、47歳で現役復帰するのだが…というストーリー。

 50歳で急逝したバーニー・マックが、憎めない主人公をコミカルに演じていたが、当初はデンゼル・ワシントンも候補者だったとか。野球をするワシントンというのも見てみたかった気がする。

 ちなみにメジャーリーグ史上で通算3000本以上の安打を打ったのは、

4256 ピート・ローズ
4191 タイ・カッブ
3771 ハンク・アーロン
3630 スタン・ミュージアル
3514 トリス・スピーカー
3465 デレク・ジーター
3419 カール・ヤストレムスキー
3418 キャップ・アンソン
3415 ホーナス・ワグナー
3319 ポール・モリター
3315 エディ・コリンズ
3283 ウィリー・メイズ
3255 エディ・マレー
3242 ナポレオン・ラジョイ
3184 カル・リプケンJr.
3154 ジョージ・ブレット
3152 ポール・ウェイナー
3142 ロビン・ヨーント
3141 トニー・グウィン
3110 デーブ・ウィンフィールド
3060 グレイグ・ビジオ 
3055 リッキー・ヘンダーソン
3053 ロッド・カルー
3023 ルー・ブロック
3020 ラファエル・パルメイロ
3010 ウェイド・ボッグス
3007 アル・ケーライン
3000 ロベルト・クレメンテ

と、わずか28人しかいない。だからこそ価値があるのだ。日本では3085の張本勲だけ。イチローは日本での1278本を加えると、2014年終了時で日米通算4122安打となったが、これはあくまで参考記録に過ぎない。ぜひともメジャー単独で3000本を達成してほしい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

声優の大塚周夫さんが亡くなった

2015-01-17 18:12:55 | 映画いろいろ

 声優の大塚周夫さんが亡くなった。アニメでは「ゲゲゲの鬼太郎」のねずみ男、「チキチキマシン猛レース」のブラック魔王、「ルパン三世」の初代石川五エ門など枚挙にいとまがない。さらに洋画の吹き替えでは、主にチャールズ・プロンソンとリチャード・ウィドマークを担当した。テレビの洋画劇場を見ながら育った世代にとっては、本人の声よりも声優さんの声の方がイメージにぴったりくることが多い。

  

 ブロンソンでは『荒野の七人』(60)の村の子供たちとふれあうオライリー、『大脱走』(63)で閉所恐怖症に陥るトンネル掘りの名人ダニーなど、屈折した役の時が特に良かった。ウィドマークの“ケタケタ笑い”も最高。ドラマ「事件記者コルチャック」のダーレン・マクギャビンの吹き替えも忘れ難い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ほぼ週刊映画コラム】『アゲイン 28年目の甲子園』『KANO~1931海の向こうの甲子園~』

2015-01-17 17:18:25 | ほぼ週刊映画コラム
TV fan Webに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

野球を媒介に人と人とのつながりの大切さを描く
『アゲイン 28年目の甲子園』
『KANO~1931海の向こうの甲子園~』


 

名台詞は↓

「負ける時はちゃんと負けろよ。負けて次に進め」
by松川典夫(太賀)

「球は霊(たま)なり。霊正しからば球また正し」
by近藤兵太郎(永瀬正敏)


詳細はこちら↓

http://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/984897
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする