田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『異人たち』

2024-03-31 08:33:05 | 新作映画を見てみた

『異人たち』(2024.3.8.オズワルドシアター)

 12歳の時に両親を交通事故で亡くし、孤独な人生を歩んできた40歳の脚本家アダム(アンドリュー・スコット)は、ロンドンのタワーマンションに住み、両親の思い出を基にした脚本の執筆に取り組んでいた。

 ある日、幼少期を過ごした郊外の家を訪れると、そこには30年前に他界した父母(ジェイミー・ベル、クレア・フォイ)が当時のままの姿で暮らしていた。

 それ以来、アダムは足しげく実家に通っては両親のもとで安らぎの時を過ごし、心が解きほぐされていく。その一方、彼は同じマンションに住む謎めいた青年ハリー(ポール・メスカル)と恋に落ちる。

 脚本家・山田太一の長編小説『異人たちとの夏』を、『さざなみ』(15)『荒野にて』(17)のイギリス人監督アンドリュー・ヘイが映画化。日本でも大林宣彦監督が映画化(88)した喪失と癒やしの物語を、現代イギリスに舞台を移し、情感あふれる脚色と演出で描いた。

 山田太一の世界をイギリス人の監督がどう換骨奪胎したのかに興味が湧いた。確かに日本とは違う両親との関係性など、センシティブな仕上がりにはなってはいるが、主人公を同性愛者にする必要はあったのかという疑問が残った。そして市川森一が脚色した大林監督の映画は名作だったと改めて感じさせられた。


『異人たちとの夏』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ebf6cf3f82b714e47f0345da464031fd

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ビデオ通話で西部劇談議『ウィル・ペニー』

2024-03-30 21:20:19 | 駅馬車の会 西部劇Zoomミーティング

 今回のお題は、チャールトン・ヘストン主演の『ウィル・ペニー』(68)

 日本では「第二の『シェーン』」として宣伝されたようだが、DVDの特典映像のインタビューで、ヘストンが「最初はジョージ・スティーブンスに監督をしてもらおうかと思った」と語っていた。

 また、メンバーの一人によれば、『シェーン』(53)のセットが移設されてこの映画でも使われていたとのこと。やはりつながりがあったのだ。

ウィル・ペニーよりも年上になった今改めて見ると、感慨深いものがあった
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/a3bfbe03038383ad58c21eb72f985a54

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【ドラマウォッチ】「不適切にもほどがある!」(第10話・最終回)

2024-03-30 10:35:19 | ドラマウォッチ

「最後のテロップにジーンとした。いつか今も過去になるんだよね」
「現在の考え方も、将来的には“不適切”になるということ」

https://tvfan.kyodo.co.jp/news/topics/1428549

 

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『あまろっく』

2024-03-30 08:00:34 | 新作映画を見てみた

『あまろっく』(2024.3.10.オンライン試写)

 理不尽なリストラに遭い尼崎の実家に戻ってきた39歳の近松優子(江口のりこ)は、定職に就くことなくニートのような毎日を送っていた。

 ある日、「人生に起こることはなんでも楽しまな」が信条の能天気な父・竜太郎(笑福亭鶴瓶)が、再婚相手として20歳の早希(中条あやみ)を連れてくる。

 平凡な家族だんらんを夢見る早希と、自分よりも年下の義母の登場に戸惑う優子。ちぐはぐな2人の共同生活は全くかみ合わなかったが、ある悲劇が近松家を襲ったことをきっかけに、優子は家族の本当の姿に気づいていく。

 通称「尼ロック」と呼ばれる「尼崎閘門(こうもん)」によって水害から守られている兵庫県尼崎市を舞台に、年齢も価値観もバラバラな家族が、さまざまな困難に立ち向かう中で次第に一つになっていく姿を描いた人情喜劇。監督は中村和宏。これもまた、最近よく見られる特定の地方発の映画の一本。

 あり得ない設定に最初は戸惑うが、不思議なことに、だんだんと早希(中条)と優子(江口)の関係性に違和感がなくなってくる。これは2人の好演によるものだが、全てが笑いに転化されるような関西弁の効用もある。

 ぐうたらに見える竜太郎が、実は「尼ロック」の役割を果たしていたのをはじめ、監督が全ての登場人物たちに愛着を持っている様子がうかがえ、多少の甘さは感じるものの、全体的には気持ちのいい人情喜劇として見ることができた。

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【ほぼ週刊映画コラム】『オッペンハイマー』『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

2024-03-29 08:30:33 | ほぼ週刊映画コラム

共同通信エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は
“原爆の父”と呼ばれた男は一体何者だったのか『オッペンハイマー』
80年代と現代が交錯しながら合体している『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』

詳細はこちら↓
https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1428297

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「午後のロードショー」『フライト・ゲーム』

2024-03-29 07:25:05 | ブラウン管の映画館

『フライト・ゲーム』(14)

“空飛ぶ密室サスペンス”
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/557f1afd12f18e2c892dbc3c4dbd416a

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「ミュージックMLB」(NHK)

2024-03-28 22:41:10 | 名画と野球のコラボ

メジャーリーグのスタジアムで流れる曲の魅力に迫るミニ番組。

ニューヨーク・ヤンキース(ヤンキースタジアム)「ゴッド・ブレス・アメリカ」(アービング・バーリン)

 アメリカの第二の国家とも言われる曲。9.11同時多発テロ以後にヤンキースタジアムでも流されるようになったという。この曲が最も印象的に歌われるのが『ディア・ハンター』(78)だ。


サンフランシスコ・ジャイアンツ(オラクル・パーク)「ドント・ストップ・ビリーヴィン」(ジャーニー)

 同点もしくは劣勢で8回裏の攻撃を迎えると、ファンは逆転を信じてこの曲を合唱するらしい。ジャーニーのボーカルだったスティーブ・ペリーは大のジャイアンツファンで、2014年のポストシーズンには球場に現れてファンと一緒にこの曲を大合唱。その年ジャイアンツは見事ワールドチャンピオンに輝いた。


シカゴ・カブス(リグレー・フィールド)「ゴー・カブス・ゴー」(スティーブ・グッドマン)

 本拠地リグリー・フィールドでチームが勝つたびに流れるこの曲は、シカゴ生まれのシンガーソングライター、スティーブ・グッドマンが1984年に発表。この年カブスは39年ぶりのポストシーズン進出を果たしたが、20歳の頃から白血病との闘いを続けてきたグッドマンは、カブスが地区優勝を決める数日前に、36歳の若さでこの世を去った。今永昇太が入団会見の時に引用したことでも知られる。


ロサンゼルス・ドジャース(ドジャースタジアム)「アイ・ラブL.A.」(ランディ・ニューマン)
ニューヨーク・メッツ(シティ・フィールド)「ピアノマン」(ビリー・ジョエル)

 前者には「寒いくてジメジメしているからニューヨークは嫌いだ」という歌詞がある。対するビリーには、「マイアミビーチやハリウッドよりもニューヨークがいい」と歌う「ニューヨークの想い」や「さよならハリウッド」があるのも面白い。何だか巨人ファンと阪神ファンの言い争いみたいでおかしい。

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『おとなのデジタルTVナビ』2024.5月号

2024-03-28 08:55:08 | おとなのデジタルTVナビ

『おとなのデジタルTVナビ』(2024.5月号)

「劇場へ行こう!」(新作映画紹介)

「BS松竹東急」

 

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「午後のロードショー」『マグニフィセント・セブン』

2024-03-28 08:30:54 | ブラウン管の映画館

『マグニフィセント・セブン』(16)

『七人の侍』『荒野の七人』のDNAは本当に受け継がれたのか?
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b57af150e0147e0be1633a283a3e74ae

ロバート・ボーンと『荒野の七人』そして『マグニフィセント・セブン』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d79de621b6cf13f750259e78e6ebfa87


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「BSシネマ」『戦場のメリークリスマス』

2024-03-28 07:12:26 | ブラウン管の映画館

『戦場のメリークリスマス』(83)

坂本龍一の映画音楽2
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/3d4772afee6d3d8da8cf62071b9bbe54

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